Analyst's view
11日のレポート「調整相場とそれを阻む要因」で指摘したとおり、週明けの各市場は調整相場(=株反発 / 米金利反発 / 米ドルショートカバー)の展開となった。外為市場で今回の調整相場、米ドルのショートカバーが継続するかどうか、この鍵を握るのは米金利の動向だろう。チャート①を確認すると、昨日は利回り格差の拡大とユーロドルの下落 / ドル円の上昇が見事に連動していることがわかる。
ドル円の戻り高値の水準はどのレベルになるのか、この点は米金利の動向だけでなく株式の動向にも影響されよう。株式トレンド、特に米株のそれを見極める観点からも、米債券市場の調整相場(=債券売り / 金利反発)は重要な要素である。金利の上昇は金融セクターの利ザヤ収益懸念の後退を想起させるからである。事実、昨日最高値を更新したS&P500の上昇をけん引したのは金融セクターだった。ハイテクセクターと金融セクターという2本柱がしっかりすれば、ドル円は「米金利反発 / 株高」を背景に上値トライの展開が続くだろう。テクニカル面では21日MAが上値の攻防分岐となろう。このMAを完全に突破する展開は、110円台への再上昇のシグナルと想定したい。調整相場の継続ならば、クロス円も円安優勢の展開が想定される。一方、ユーロドルは、8月17日安値1.1662を起点とした短期サポートラインの下方ブレイクを想定し、1.18までの調整相場(=ユーロ売り / 米ドルショートカバー)を想定したい。詳細な上下のチャートポイントは、テクニカルレポートにて。尚、調整相場を阻むリスク要因は、①北東アジアの地政学リスクの再燃と②米CPIであることは11日のレポートで指摘済み。