Market Analysis
低下傾向にあったVIX指数は18日、20ポイント台へと再上昇した。リスク回避圧力が後退する局面で20ポイント前後を右往左往する状況は、3月から4月にかけボラティリティが上昇した局面でも発生した。米株安定化にはまだ時間が必要だが、良好な四半期決算が米株の安定化に寄与するというベースシナリオに変更はない。また、原油価格が1バレル=70ドルの水準を割り込んだことで、原油高に連動していた米金利の上昇圧力も一時的にせよ後退するだろう。米金利の低下はハイテクセクターのサポート要因となろう。
本日のドル円も株式にらみの展開となろう。注視すべきは米株の動向だが、反発局面では21日MA(112.93前後)を視野に上昇幅の拡大を想定したい。一方、冴えない米四半期決算となれば、111円台の攻防を想定したい。このケースでは米国の政治リスク(サウジアラビア/メキシコとの政治的緊張)および中国リスクの方が強く意識されよう。下値の攻防分岐は、3月安値104.55を起点とした短期サポートライン(111.80前後)。このラインを下方ブレイクする場合、次のターゲットは直近高値114.54からの61.80%戻し111.59となろう。112.70から113.00にかけては断続的にオファーが観測されている。111.90-80および111.60-50のゾーンにはビッドの観測あり。
一方、ユーロドルは米金利の動向にトレンドが左右されよう。現状、原油安により米金利に対する上昇圧力は一時的に後退中。このタイミングで米株安が続けば、米独利回り格差の縮小を背景にユーロドルは反発しよう。だが、イタリアの財政リスクが重石となり、上昇幅は限定的となろう。本日の上値攻防分岐は10日MA(1.1521前後)と想定。一方、米株が反発する場合、米金利には上昇圧力がかかろう。この展開では米独利回り格差の拡大を意識したユーロ売り/ドル買いを想定。下値の攻防分岐は10月9日安値1.1429となろう。1.1430および1.1400にはビッドがそれぞれ観測されている。
【チャート①:VIX指数(米株ボラティリティ)】