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米指標データにらみ

Market Summary

11日の海外外為市場は米ドル安優勢の展開となった。この日発表された米指標データは総じて冴えない内容に。また、ECBが公表した理事会の議事要旨(12月14日開催分)では、フォワードガイダンスの見直しについての議論があったこと、経済状況次第で今年の早い時期に政策の修正をする可能性について示唆されたことが判明。これらの材料を受け、ユーロドルは1.2059まで急反発する展開となった。一方、ドル円は冴えない米指標データと対ユーロでの米ドル安を背景に111.03レベルまで米ドル安が進行した。

米国株式は主要3指数がそろって上昇した。原油高や企業業績への期待感を背景に、ダウ平均は前日比205ドル60セント高の25,574.73と2営業日ぶりに過去最高値を更新。ナスダック総合株価指数とS&P500指数もそろって最高値を更新した。NY原油先物2月限は記録的な寒波や産油国による協調減産の延長期待を背景に、前日比0.23ドル高の1バレル=63.80と4日続伸。一方、NY金先物2 月限は外為市場での米ドル安が好感され、前日比3.2ドル高の1トロイオンス=1322.5で終了した。

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Market Analysis

12月の米生産者物価指数(PPI)は前年同月比で2.6%と市場予想の3.0%を下回った。コア指数も同2.4%から2.3%へ低下した。PPIの低下は本日発表される12月消費者物価指数(CPI)の低下圧力を強める要因となり得る。市場予想は前年同月比で2.1%、コア指数が1.7%となっている。直近の米長期金利は2.50%の水準を突破しているが、PPIに続きCPIまで市場予想以下となれば低インフレ状態の継続が米債市場で意識されることで、昨年同様、米長期金利の抑制要因となり得る。また、本日は米株のトレンドを左右する指標データとして12月小売売上高にも注視する必要がある。市場予想は総合/コア指数ともに前月比0.4%。冴えない内容となれば、週末というタイミングや来週から本格化する企業決算を前に株高の調整圧力を強める可能性がある。

本日のドル円は、CPI(米長期金利)と小売売上高(米株)によりトレンドが左右されよう。警戒すべきは下落リスクの方だろう。対ユーロで再び米ドル安圧力が強まる中、冴えない米指標データが続けば、トライアングル下限の起点となっている110.83を下方ブレイクする展開が想定される(チャート②参照)。良好な米指標データを軸に調整圧力が強まる場合は、オファーが観測され始めている112.00トライが焦点となろう。一方、ユーロドルは、リスクリバーサルの拡大が止まったこと、21日MAと日足基準線が相場をサポートした事実も考えるならば、1.21の再トライを想定したい(チャート③参照)。だが、ドイツの政治リスクが上値の抑制要因となり得る点については常に警戒すべきだろう。


【チャート①:米コアCPIとコア小売売上高】

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【チャート②:ドル円】

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【チャート③:ユーロドル】

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