Market Analysi
ECB理事会は想定通りユーロ売りイベントとなった。しかし、ユーロドルは1.13台を堅持する状況が続いている。市場の焦点は来週のFOMCにシフトしているが、その前に1.13台を下方ブレイクする材料として注視すべきは米指標データとなろう。パウエルFRBは11月のFOMCで指標データ次第で柔軟に政策を遂行していくことを議論していた。良好な米新規失業保険申請件数の結果が昨日のユーロドル下落の一因だったことを考えるならば、本日の米指標データ(特に小売売上高)が市場予想を上回る場合、「米株上昇→長期金利の反発基調維持」を背景にユーロドルの下落を想定したい。テクニカル面での焦点は、11月中旬安値1.1213を起点とした短期サポートラインとなろう。今日現在、このラインは1.1315前後で推移している。短期サポートラインの下方ブレイクは1.1300トライのシグナルとして警戒したい。尚、このレベル(1.1300)にはビッドが観測されている。一方、冴えない米指標データならば、米株はファンダメンタルズの先行き不透明感とFOMCを意識した利確により上値が抑制されよう。長期金利には低下圧力が高まることで、ユーロドルはリトレースメント38.20%の水準1.1443を上限に、戻り高値を探る展開となろう。1.1400および1.1420にはオファーの観測あり。
ドル円は売り買い交錯を想定。米株が上昇する場合、113円後半の攻防が焦点となろう。だが、113.70レベルからの売り圧力は根強い。113.86前後で推移している短期レジスタンスラインで上値が抑制される展開を警戒したい。逆にこのラインの突破に成功する場合は、114.00が次のターゲットとして浮上しよう。一方、冴えない米指標データにより「米株下落/長期金利低下」となれば、反落を想定したい。このケースではリトレースメントをベースに113円台を維持するかどうか、この点を見極めたい。113.10(リトレースメント38.20%付近)と113.00(リトレースメント50.00%付近)にはビッドが観測されている。
【チャート1:ユーロドル】