Market Analysis
米朝首脳会談とFOMCという2大イベントを前にして、週明けのグローバル株式市場はリスク選好相場となった。最も重要な米国市場の動向を確認すると、米長期金利は節目の3.0%を視野に反発基調を維持しており、米株のボラティリティに大きな変動は見られない。根強いリスク選好相場が米国市場で続く限り、ドル円は堅調地合いを維持しよう。米朝首脳会談については開催までの紆余曲折、ポンペオ米国務長官のこれまでの言動、そしてトランプ米大統領によるツイッター等を鑑みるに水面下での交渉が相当進んでいることが窺えるため、リスクイベントとなる可能性は低い。むしろ市場関係者の関心はFOMCの方にあろう。焦点はパウエルFRBの経済見通し(特にインフレ見通し)とそれをベースとした利上げペースにあるが、この点を見極めるまで本日の外為市場は売り買いが交錯する展開が想定される。
ユーロドルはFOMCとECBイベントに対する思惑が交錯し、1.17台を中心としたレンジ相場を想定したい。テクニカル面では21日MAがサポートラインとして意識される可能性がある。一方、上値の焦点は1.1850となろう。このレベルは、直近安値1.1506からの38.20%戻しの水準にあたる他、すぐ下の水準1.1840にはオファーが観測されている。一方、ドル円は、上述したとおり2大イベントを前にしてもリスク選好相場が続いている米国市場の動向を考えるならば、直近安値108.10からの61.80%戻しにあたる110.13レベル、6~7日に相場を圧迫した200日MA(今日現在110.20)そして6日高値110.26をトライする可能性があろう。ただ、これらのレジスタンスポイントを突破しても、FOMCを意識した利益確定による反落を警戒したい。一方、下値の焦点は108.10を起点とした短期サポートラインが推移している109.30レベル、そして8日と11日に相場をサポートした109.20レベルの維持となろう。
【チャート①:米長期金利 / 米株ボラティリティ】