Analyst's view
昨日の米国市場は「株高 / 金利上昇」のリスク選好相場となった。11月もこの状況が続くかどうか、この鍵を握るのは、大規模税制改革(トランプ減税)の進展次第だが、2018会計年度(2017年10月~18年9月)の予算決議案が可決されたことで、焦点の上院では過半数の51票の賛成で税制改革法案が可決できる効力が発生することになった。本日中にも原案が議会指導部より提出される予定となっている。予定通り事が進展すれば、トランプ減税への期待先行相場が米国市場で継続する可能性が高い。特に米10年債利回りに再び上昇圧力が強まれば、米ドル買い圧力が強まろう。リスク要因としては、法人税率の段階的な引き下げと税収減の穴埋め議論、もしくはロシアゲートの再燃でスピード感が失われることだろう。このケースでは、一時的に米国市場はリスク回避(株安 / 金利低下)の局面へ転じよう。だが、上述したとおり議会運営の面では与党共和党が単独で法案を通過させることが出来る状況にある。今月中旬までに議論がさらに進展している可能性の方を意識したい。
本日のドル円は114円台のトライを想定したい。昨日、21日MAにサポートされた点を考えるならばテクニカル面でも底堅さを確認済み。上値攻防分岐は引き続き114.50となろう。一方、ユーロドルは下値トライを警戒したい。カタルーニャ自治州の首相を解任されたプチデモン氏が、中央政府による12月21日の州議会選挙実施を受け入れると表明したとで、スペインリスクはひとまず後退中。だが、米欧債券市場では、FEDとECBの金融政策のコントラストが意識されやすい状況にある。上述したトランプ減税成立に向け進展があれば、米独10年債利回り格差の拡大傾向が継続しよう。本日の下値攻防分岐は、先月27日安値1.1574レベルとなろう。一方、上値の焦点は5日MA(1.1674前後)となろう。チャート分析の詳細はテクニカルレポートにて。