Analyst's view
日米欧の株式ボラティリティは低位で安定的に推移中。また、NY原油先物相場が1バレル=60ドルを視野に堅調地合いとなっている点も考えるならば、目先、米長期金利の低下圧力が高まる可能性は低いだろう。だが、米長期金利の新たなレジスト水準として2.5%が浮上しつつある(チャート①参照)。また、FEDが注視しているコアPCEは前年同月比で1.3%と市場予想の1.4%を下回る内容となった。コアPCEは1.5%と市場予想と一致したものの、米国経済が低インフレから脱却するには未だ時間が必要であることが再確認された。
上述の状況を俯瞰する場合、今週のドル円は調整相場の週となる可能性があろう。この点はテクニカル面でもいえる。米長期金利が2.5%手前でレジスト状態となっていること受け、12月21日以降、ドル円も11月高値114.73を起点とした短期レジスタンスラインで上値がレジストされ続けている(チャート②参照)。だが、リスク選好相場に大きな変化は見られない。よって、クロス円の堅調地合いがサポート要因となることで、日足転換線が相場をサポートする可能性があろう。
一方、クロス円で注視すべきは、市場の焦点が良好なファンダメンタルズに回帰しているユーロ円だろう。今週の上値攻防分岐を135.00と想定したい。また、国際商品市況の改善をベースに9月21日高値90.30を起点とした短期レジスタンスラインを完全に突破した豪ドル円は、日足雲の上限を突破すれば、さらに上値トライの展開が想定される。カナダ円も同様に、原油先物相場の堅調地合いがサポート要因となり、日足雲の上限が今週の上値攻防分岐となろう。一方、ユーロドルは、12月12日安値1.1716からの76.40%戻しでレジストされた後に反落している。だが、22日のローソク足は陰線引けとなったものの、長い下ヒゲが示現し1.18台の底堅さを演出。また、リスクリバーサル(1W / 1M)がユーロの堅調地合いを示唆している点も考えるならば、今週は1.18台で底堅い展開を想定したい。上値の攻防分岐は上述した76.40%戻しとなろう。一方、調整相場となっても、11月安値1.1552を起点とした短期サポートラインを維持するならば、ユーロドルは1.19台へ向け再上昇するだろう(チャート③参照)。