Analyst's view
20日のレポート「ドル円は調整相場を警戒」で指摘したとおり、直近はリトレースメント50.00%の水準まで下落中(チャート①参照)。米10年債利回りが2.4%前後で再びキャップされている状況を考えるならば、調整による米ドル買いは散見されても、それが持続的なトレンドを形成する可能性は現時点で低い。よって、警戒すべきはダウンサイドリスクだが、下値のポイントは株式動向に左右されるだろう。日米欧のボラティリティを確認すると低下基調にあり、株安圧力が強まるムードは感じられない。よって、ドル円が一気に110円を割り込む可能性は低いだろう。だが、円相場が円高優勢で進行している現状を考えるならば、本日の国内株式は軟調地合いが想定される。株式が軟調地合いとなる場合、ドル円はリトレースメント50.00%を下方ブレイクし、日足雲の下限が推移している110.70レベルを視野に下落幅が拡大する可能性がある(チャート①参照)。尚、雲の下限の攻防はテクニカル面で非常に重要な焦点となろう。日足遅行線がローソ足を下方ブレイクし、転換線が基準線を下回る状況となる中、相場が雲の下限をも下方ブレイクすれば、一目均衡表において最も強い売りシグナルである三役逆転が完成するからだ。
ユーロドルは、米独利回り格差の動向がトレンド決定要因となるだろうが、トランプ減税への期待が後退している現状で米金利が急反発する可能性は低い。上値の攻防分岐1.1860レベルの突破を常に想定し、それを達成する場合は、直近安値1.1552からのリトレースメント61.80%が次のターゲットとして浮上しよう(チャート②参照)。一方、下値の焦点は75日MAの維持となろう(チャート②参照)。