Market Analysis
米株は良好な四半期決算を背景にリスク選好相場となっている。ハイテクセクターが再び株高のけん引役となり、S&P500指数は100日MAの突破に成功した(チャート①)。米長期金利も緩やかな上昇トレンドを形成している現在の状況は、投資家がリスクを取りやすい相場環境であることを示唆している。ドル円は、4月以降サポートラインとして意識されてきた日足転換線を下方ブレイクした。しかし、リスク選好相場が続く限り、円高圧力が高まる可能性は低い。よって、106円台で買戻しが入る展開が継続しよう。テクニカル面では106円ミドルまで上昇してきた21日MAの攻防が焦点だが、106.50-60レベルにはビッドが観測されている。また、106.00にも同様にビッドの観測あり。ドル円のテクニカルポイントはチャート②を参照されたし。
だが、底堅さを維持してもユーロドルがレンジ相場を維持する限りドル円の108円トライは近くて遠い。そのユーロドルだが、昨日は見事にフィボナッチ・プロジェクション61.80%で上値がレジストされた。ローソク足も上下に長い上ヒゲが示現しての陰のコマ。1.24レベルでの上値追いに市場の気迷いが見て取れる。だが、日足転換線を下方ブレイクしない限り、レンジ相場が継続しよう。リスクリバーサル(1W)に大きな変動が見られないことも考えるならば、本日も売り買い交錯相場を想定したい。昨日はウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁とエバンス・シカゴ連銀総裁がインフレ見通しについて楽観的な見方を示した。前日にはカプラン・ダラス連銀総裁が失業率が3.7%まで低下する見通しを示し、またダドリー・NY連銀総裁は今年3-4回の利上げの公算ありと示唆。株高基調に加えFEDスピーカー達の強気発言を受けて尚、米長期金利が2.8%前後で緩やかな上昇基調にある点もユーロドルのレンジ相場形成の一因となろう。ユーロドルのテクニカルポイントはチャート③を参照されたし。
【チャート①:米長期金利とS&P500指数】