Analyst's view
米下院は19日、大方の予想通り税制改革法案を可決した(20日に再投票となるも予定通り可決される見通し)。これを受け米長期金利は2.4%台の回復に成功。今後の焦点は反発基調の持続にあろう。上院でも可決される見通しとなっており、期待先行で10月下旬に抑制された2.48%台へ乗せる可能性がある(チャート①参照)。ドル円は日米利回り格差との連動性が高いため、米長期金利の反発基調が維持されるならば、上値トライの状況が継続しよう(チャート②参照)。11月の戻り高値114.73を起点とした短期レジスタンスラインを上限と想定し、まずは10日MA(112.94)をローソク足の実体ベースで突破できるかどうか、本日はこの点を見極めたい。これを達成する場合、次の上値ターゲットは日足雲の上限(113.39)となろう。113.10、113円ミドルにはそれぞれオファーが観測されている。
一方、ユーロドルは独長期金利の急上昇により、昨日は米独利回り格差が縮小した(チャート②参照)。米欧金融政策のコントラストが市場関係者に意識され易い一方、ユーロ圏の経済自体はドイツ経済がけん引役となり、2013年以降成長軌道を描き続けている。良好なファンダメンタルズは、独金利低下圧力の相殺要因となり得る。また、ドイツの政治リスクがひとまずテーマから外れていることも、米独利回り格差の拡大を阻止する要因となっている。一方、テクニカル面では、日足雲の上限とトライアングル上限(=短期レジスタンスライン)の突破に成功したことで、短期的に上値トライのムードが強まっている。目先の上値攻防分岐は、今月14日に相場をレジストした直近安値1.1716からの61.80%戻しとなろう。このテクニカルの突破にも成功するならば、11月の戻り高値1.1960を起点とした短期レジスタンスラインが次の上値ターゲットとして浮上しよう。1.1850から1.1900にかけては断続的にオファーが並んでいる。