Market Analysis
25日の会見でドラギECB総裁がユーロ相場の不確実性について言及するも、ユーロドルは2014年12月以来となる1.25台の水準へと急騰。一時、フィボナッチ・プロジェクションの76.40%水準1.2524をも突破する局面が見られた(チャート①参照)。だが、この日の日足ローソク足は長い上ヒゲ付の陰線引け。一方、ドル円のそれは長い下ヒゲ付の陽線が示現した。それぞれバイイング・クライマックス / セリング・クライマックスを思わせる形状が示現した点を考えるならば、本日以降、米ドルを買い戻す動きが散見される可能性があろう。
上記のローソク足が示現した要因は、トランプ米大統領による米ドル高容認発言にあった。しかし「通商政策の推進=国益の追求」というトランプ政権のスタンスに変化が見られない事実を考えるならば、米ドル相場に対する米要人発言は今後も一貫性のない内容となる可能性が高い。持続的な米ドル買いの鍵を握るのは、ユーロドルの動向にあろう。昨日の会見でドラギ総裁はユーロ高への警戒感を示した他、年内の利上げについても「ほとんどあり得ない」と否定。ドラギECBのスタンスを確認した市場関係者、特に投機筋は3月の次回理事会前にひとまずユーロロングを調整してくるだろう。だが、独長期金利が昨年7月12日以来となる0.64%台まで急騰している状況、そして国内の長期金利も上昇基調を維持していることを考えるならば、持続的な利回り格差の拡大は期待出来ない。よって、米ドルのショートカバーが散見されても上昇幅は限定的となる可能性が高い。ユーロドルは1.2100レベルがレジスタンスからサポートへ転換するかどうか、この点が下値の焦点となろう(チャート①参照)。一方、ドル円は110.20-30ゾーンの突破が目先の焦点となろう。来週は1月8日高値113.38を起点とした短期レジスタンスラインがこのゾーンまで低下する(チャート②参照)。