Market Analysis
20日の海外外為市場では、株安が円高圧力を高めドル円の下落幅が拡大するという従来のパターンが久々に見られた。米株のボラティリティは10月の急落相場の水準を突破し30.30まで上昇。投資家のリスクセンチメントに改善の兆しが見られない状況と原油価格の低迷を考えるならば、米ドル相場反転の鍵を握る長期金利が反発する可能性は低い。よって、ドル円はさらなる下値トライを警戒すべきフェーズにある。この点はテクニカルも示唆している。5月安値108.10を起点とした短期サポートラインを大陰線で一気に下方ブレイクした事実は、今年3月下旬から発生した「ドル高/円安トレンド」の転換を市場に印象付けよう(チャート1)。また、筆者が注目しているのがレジスタンスラインである。10月高値114.54を起点とした短期レジスタンスラインが形成されているが(チャート1)、アベノミクス開始以降から俯瞰すると、この短期レジスタンスラインはアベノミクス高値125.85を起点とした長期レジスタンスラインの一部であることがわかる(チャート2)。本日も下値トライを警戒すると同時に、攻防分岐を200日MA(今日現在110.90で推移)と想定している。このMAは昨日相場を下支えした。1年間の平均ライン(200日MA)をも下抜ける展開となれば、110円以下の攻防シフトを警戒したい。110.75および110.50にはオプションバリアの攻防が想定される。一方、急落後の調整圧力が高まる場合は、112円割れ後に上値をレジストし続けた111.90の攻防を注視したい。
ユーロドルは上値トライを想定。通貨オプション市場ではユーロプットの需要が後退し、且つリスクリバーサルもユーロ相場の底堅さを示唆する状況が続いている。重要レジスタンスポイント1.1450(リトレースメント38.20%)を突破した状況も考えるならば、1.1500トライが上値の焦点となろう。1.1470から1.1500にかけては断続的にオファーが並んでいる。一方、下値の焦点は21日MAの維持となろう。このMAは今日現在1.1357前後で推移している。1.1350にはビッドの観測あり。
【チャート1:ドル円 短期チャート】