Market Analysis
海外勢はクリスマス休暇入り。外為市場はレンジでの売り買いが交錯する展開が想定される。しかしドル円は、国内外の株式次第で節目の110.00トライを警戒すべきだろう。週明けの米株のボラティリティ(VIX)は36ポイントレベルまで急騰。原油価格が低迷する中、米株の先行き不透明感がさらに高まる状況では長期金利の反発は期待できない。それは日本株も同じである。日米株式の下落が続く限り両国の利回り格差も縮小傾向をたどるだろう。通貨オプション市場ではドルプット(円コール)の需要が急速に高まり、リスクリバーサルは急低下中。上述したマーケット動向に対する警戒レベルが上昇していることを示唆している。節目の110.00にはビッドが観測されているが、下方ブレイクする場合は、さらに下値トライのムードが高まろう。109円台で最初に注視すべき下値のポイントは、8月21日安値109.76である。だが、現在の状況ではストップハンティングを警戒する必要がある。フィボナッチ・プロジェクション161.80%の水準にあたる109.05のトライを意識しておきたい。109円台の維持にも失敗するならば、5月安値108.10を視野に下落幅が拡大しよう。一方、調整の反発局面では21日高値111.45の突破が目先の焦点となろう。
ユーロドルは、1.1300-1.1500のレンジ内で売り買いが交錯する展開を想定している。通貨オプション市場ではリスクリバーサルが緩やかな上昇トレンドを維持。21日MAにサポートされている状況も考えるならば、1.13ブレイクとなっても短期サポートラインで反転する展開を想定している。だが、ユーロ圏のファンダメンタルズを考えるならば、ユーロ買い需要が急速に高まる状況にはない。この点はユーロコールの動向が示唆している。つまり、米ドル売りのみではユーロドルの上昇幅は限られるということだ。今週も1.1450以上での反落リスクを警戒したい。1.1490および1.1500にはオファーが観測されている。
【チャート1:ドル円】