Market Analysis
24日の米債券市場で長期金利(10年債利回り)は、4年3か月ぶりに3.0033%まで上昇した。焦点は米株の動向だったが、この日は株安で反応した。本来であれば株高と金利の上昇は正常な関係である。しかし、米株が売りで反応したこということは、直近の金利上昇のスピードが正常ではないと市場関係者が警戒しているからであろう。その理由は、原油高と米長期金利の連動性が高まっている点にあろう。トランプリスクに加え、「原油高→金利上昇」までが続くならば、企業の生産 / 借入のコスト増と将来の収益悪化懸念が意識され米株は再び不安定化しよう。景気動向に敏感なハイテクセクターのボラティリティがVIX以上に上昇している状況は、株式再不安定化の可能性と市場の警戒レベルが再び高まりつつあることを示唆している(チャート①参照)。
米株の動向は、現在のドル円のトレンドを見極める上で重要である。ドル円の上昇は「米長期金利の上昇=米ドル高」と「株高=円安(円高圧力抑制)」という2つの柱に支えられている。よって、どちらか一方が崩れるならば上値トライの圧力が後退する。米長期金利の上昇が続いている状況を考えるならば、目下のところ注視すべきは後者が崩れる展開だろう。この場合、円高圧力が高まると同時にその状況が長引けば「株安→米長期金利低下→米ドル安」の展開を誘発しよう。本日は株安を警戒しドル円は利益確定売り優勢の展開を想定したい。下値の焦点は5日MAの攻防となろう。108.50と108.00にはビッドが観測されている。上値の焦点は、昨日高値109.20の突破が焦点となろう。この水準にはオファーの観測あり。一方、ユーロドルは100日MAを本日の攻防分岐と想定し、下方ブレイクする場合は重要サポートポイント1.2150トライのシグナルとして警戒したい。上値は、日足転換線がサポートからレジスタンスへ転換するかどうかを見極めることが重要なテーマとなろう。
【チャート①:米長期金利と株式ボラティリティ】