Market Analysis
ドルインデックスは30日、8月15日に付けた高値96.98を突破し97.00台の水準へ上昇した。米ドル相場の底堅さの要因のひとつに長期金利の高止まりがある。その米長期金利のトレンドは目先、米株の動向に左右されるだろう。その米株のボラティリティは未だ20-25ポイントレンジで推移し、投資家のセンチメントはなお不安定な状況となっている。よって、目先の米株は上下に大きく変動する局面が散見され、長期金利もその動きに連動し上下動を繰り返しながら3.0%以上の水準を維持する展開が想定される。米株高の局面で注視すべきは、金利の上昇に対する市場の警戒感だろう。だが、3.2%以下の水準で推移し、且つ「米株高 / 原油価格下落」の局面における金利の再上昇はリスク要因とはならないだろう。米株安となっても米ドル買い圧力が円買い圧力の相殺要因となっている現状を考えるならば、ドル円は引き続き底堅い展開を想定したい。21日MA(112.69前後)およびレジスタンスポイント112.88を突破したことで、次の上値ターゲットは直近安値111.36からの61.80%戻し113.33となろう。「米株の持続的な反発→長期金利の上昇」となれば、113円後半の攻防シフトを想定したい。このケースでは10月8日高値113.94の突破が焦点となろう。一方、米株の反落により上値が抑制される場合は、21日MAがレジスタンスからサポートへ転換するかどうか、この点を見極めたい。
ユーロドルは下落リスクを警戒したい。政治リスクに直面する中、7-9月期GDP速報値は前期比0.2%増 / 前年比1.7%増と、いずれも第2四半期から伸びが鈍化した。景気の減速傾向が具体的な数値で確認されたことで、米独利回り格差の拡大傾向は今後も続くだろう。それに伴い1.1300割れも市場で意識され続けよう。現在相場をサポートしている1.1330のブレイクは1.1300トライのシグナルとなろう。一方、調整の反発局面(=ユーロ買戻し局面)では10日MA(1.1412)の攻防が目先の焦点となろう。だが、このMAを突破しても21日MA(1.1473)および短期レジスタンスライン(1.1490)までの反発が限界と想定している
【チャート①:ドルインデックス】