Market Analysis
米国株式は最高値圏での攻防を維持。ボラティリティも引き続き低水準での推移が続いている。一方、米債市場ではFOMC後に見られた債券の買戻しが続かず、この日の米長期金利は株高に追随し、3.09%台まで反発する局面が見られた。9月以降のドル円は、株高トレンドだけでなく日米利回り格差とも順相関の関係にある。よって、米国市場でリスク選好相場(=株高 / 金利上昇)が続く限り、ドル円は引き続き上値トライを想定したい。昨日114.00のオファーをこなしたことで、次はテクニカル面での攻防が注目される。本日はフィボナッチ・プロジェクションの50.00%水準114.06の攻防が焦点となろう。このレベルは昨日の高値水準でもあり、突破に成功する場合は、次のターゲットを昨年11月高値114.72と想定したい。一方、下値の焦点は113円台の維持となろう。テクニカル面では10日MA(113.07前後)の維持が焦点となろう。113.10および113.00にはビッドが観測されている。
一方、ユーロドルは、調整のユーロ買い戻しを挟みながら下値トライの継続を想定。週明けの米ドル対新興国通貨の動向を確認すると、強弱まちまちの展開となっている。米国/カナダ間のNAFTA見直し交渉の合意は新興国通貨買い要因だが、実際の相場が米ドル高優勢となった状況は、リスク選好下で米ドル高圧力がより高まっていることを示唆している。この米ドル高圧力に加え、イタリアリスクもユーロドルの重石となろう。財政不安を背景にイタリア10年債利回りは3.3%と、5月29日の水準まで急騰中。この問題に関する目先の焦点は、今月15日までに欧州委に提出予定の2019年予算案だが、現状では欧州委サイドが修正を求める可能性が高い。本日はサポートポイント1.1520レベルが下値の焦点となろう。1.1530にはビッドが観測されている。一方、調整相場となる場合は、21日MA(1.1653前後)までの反発を想定したい。1.1660レベルにはオファーの観測あり。
【チャート①:ドル円】