Market Analysis
今月13日のレポート「トランプ陣営による突然の米ドル高けん制に要注意」で指摘したとおり、トランプ米大統領はニューヨーク州のハンプトン地域で開催されたイベントで、FEDの利上げ政策について懸念を表明。米ドル相場の先高観が外為市場で意識されているタイミングで2度目のFED批判(1度目は先月CNBCとのインタビュー)となったことを受け、20日の米ドル相場はファンダメンタルズ(=景気拡大/株高)よりもトランプリスクの方に敏感に反応し主要通貨で下落した。10日MAを上方ブレイクし、且つ短期のリスクリバーサルが上方に拡大基調にあるユーロドルは、20日のレポート「2つの米国イベントと米中貿易協議」で指摘した21日MA(今日現在1.1547前後)を視野に、反発基調維持のムードが高まってきた。オファーが観測されている1.1500の上方ブレイクは21日MAトライのシグナルと想定したい。一方、下値の焦点は1.14台の維持となろう。テクニカル面では10日MA(今日現在1.1442前後)がレジスタンスラインからサポートラインへ転換するかどうか、この点を見極める必要があろう。
本日のドル円は109円台中心の攻防を想定したい。週明けの欧米株式そして主要な新興国株式市場は総じて上昇した。しかし、トランプ批判の方が強く意識され110.70手前から110.00まで下落した事実は、トランプリスクのインパクトの大きさを示唆している。米株のボラティリティは引き続き低水準で推移中。また、新興国株式のボラティリティも低下基調にある。株式市場が堅調地合いを維持している状況下では、ドル円が一気に108.00を目指す可能性は低い。だが、その株高基調(特に米株高)が崩れるか、もしくは米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(7月31日~8月1日開催分、22日公表)で国際貿易摩擦に対するパウエルFRBの警戒度合が高まっていることが確認されるならば、109.50割れを警戒したい。109円前半のサポートポイントは、6月下旬の反転ポイント109.35、もしくは同月上旬に相場をサポートした109.20を想定したい。109.50にはビッドが観測されている。一方、上値は20日高値110.68のトライが焦点となろう。本日、110.70レベルに10日MAが低下中。
【チャート①:株式ボラティリティ】