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米金利の調整相場継続とドル円の上値トライ

Market Overview

20日の海外外為市場は、予想外にタカ派となった9月FOMCを受け、米ドル買い圧力が強まった。ドル円は112.53、ユーロドルは1.1861までそれぞれ米ドル高が進行した。また、利上げ期待を背景に急伸していたポンドドルも、この日は1.3452まで下落した(=ポンド安 / 米ドル高)。
この日の米株は横ばい推移となった。米金利の反発基調を背景に金融セクターが底堅い展開となり、且つNY原油先物10月限が前日比0.93ドル高の1バレル=50.41ドルと反発したこと受け、資源セクターにも上昇圧力が強まった。だが、タカ派のFOMCを受け割高感のあるテクノロジーセクターに売り圧力が強まったことで、上昇幅は限られた。尚、ダウ平均は前日比41ドル79セント高の22,412.59と、9日続伸。連日で過去最高値を更新した。

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Analyst's view

20日のレポート「インフレ鈍化の警戒レベルとFOMC後の展望」で、9月FOMCの焦点はインフレ鈍化に対するFEDの警戒レベルと指摘した。その警戒レベルだが、筆者が想定しているよりも低い内容だった。今年のインフレ見通し(コアPCE)こそ6月時点の1.7%から1.5%へ下方修正されたものの、2019年には物価目標の2%を達成するという予測に変化なし。また、声明文でもインフレは「中期的にFOMCの目標2%付近で安定」するという予測を維持した。そしてドットチャートでは、年内1回の利上げを予想すると同時に、2018年の利上げ予測も3回と、6月時点から変化は見られなかった。
2017年に入り、インフレ鈍化が鮮明となっているにもかかわらず、物価目標2%到達の予測と利上げ予測の両方に変化が見られなかった点は、市場でタカ派的と受け止められて当然だろう。事実、米債券市場では2年債利回りが2008年11月上旬以来となる1.451%まで急伸。米ドル相場との相関性が高い10年債利回りも2.289%まで上昇する局面が見られた。9月FOMCの内容を受け、米金利は反発基調を維持しよう。それに伴い外為市場では米ドル買い優勢の展開が散見されよう。注視すべきは株式市場の動向だろう。20日の米株は横ばい推移となった。インプライドボラティリティ(1か月)に大きな変動が見られない点を考えるならば、現時点で今回のFOMCがネガティブ要因として捉えられた可能性は低い。よって、株高トレンドの維持が想定される。この場合、ドル円は「米金利の上昇 / 株高」を背景に上値トライの展開が想定される。200日MAの突破にも成功したことで、次のターゲットは113円台への再上昇となろう。107.31からの76.40%戻し112.80突破は、113円台へ再上昇するシグナルと想定したい。一方、ユーロドルは高値1.2092からの23.60%戻しと短期サポートラインを完全に下方ブレイクする場合、ビッドが観測されている1.1800レベル、38.2%戻し1.1720の順でサポートポイントを想定したい。


【チャート①:ドル円チャート】

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【チャート②:ユーロドルチャート】

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