Market Analysis
トランプ米大統領は11日、シリア情勢を巡りツイッターでロシアに警告。これを受け外為市場では米ドル安基調が続いた。昨日の動向で注視すべきは米長期金利の動向だった。持続的な米ドル安に加え、①シリア情勢の緊迫化を背景にNY原油先物が一時3年4か月ぶりの水準まで上昇し、②3月コアCPIが前年比で2.1%まで到達しインフレの加速が確認され、③FOMC議事録では景気拡大とインフレの上昇にパウエルFRBが自信を深めていることが判明したにもかかわらず、米長期金利は2.8%の水準を割り込む展開となった。前日の米中貿易リスク後退によるリスク選好相場の状況下でも反発が限定的だった点も考えるならば、株式市場とは違い債券市場ではグローバル経済の先行き不透明感が強く意識されている。トランプリスクにより米ドル相場との相関性が崩れる局面が見られるが、米長期金利の動向はやはり米ドル相場のトレンド決定要因である。その米長期金利の上昇圧力が抑制され続ける限り、米ドル安を意識する状況が続くだろう。
ユーロドルのリスクリバーサルは、再び上方へと拡大。1.22トライの可能性は後退している。トランプリスクによる根強い米ドル安圧力と、ドラギECB総裁による域内経済にかんするポジティブなコメントが市場で材料視されている点を考えるならば、本日は1.24トライを想定したい。テクニカル面ではプロジェクション61.80%の攻防が焦点となろう。1.2400にはオファーの観測あり。一方、調整により反落する場合、下値の焦点は21日MAの維持となろう。このMAは今日現在、1.2320前後で推移中。1.2300にはビッドの観測あり。ドル円は、引き続き「米ドル安vs円安」の攻防を想定したい。だが、シリア情勢で株式が崩れる場合、ビッドが観測されている106.00トライの可能性が高まろう。106.60レベルの下方ブレイクは106.00トライのシグナルとして警戒したい。一方、上値の攻防分岐は107.50で変わらず。このレベルにはオファーの観測あり。