Market Analysis
3日の米長期金利は9月13日以来となる2.966%まで低下。一方、米株は主要3指数が上昇した。株高にもかかわらず長期金利が低下した事実は、FEDの金融政策スタンスの変化(=利上げペースの鈍化もしくは早期打ち止め)を米債市場が敏感に感じ取っていることを示唆している。米中貿易摩擦の後退と米長期金利の低下は、米株のサポート要因となろう。事実、ボラティリティ(VIX)は警戒水準である20ポイント以下のレベルへ低下し、S&P500 指数はボックスレンジ(2,600-2,820)の上限を視野に続伸している。だが、現在の米国市場の状況はドル円のトレンド予測を難しくする。従来の「株高/金利上昇」ならば、ドル円は上昇トレンドを維持するだろう。だが、現在は「株高/金利低下」の局面にある。この状況下では「米ドル売りvs円売り」のせめぎ合いとなり、ドル円の上昇圧力が抑制されよう。本日もオファーが観測されている114.00レベルが上値の攻防分岐となるだろう。米株高が長期金利の反発要因となっていない現状では、114円前後での反落を常に警戒したい。だが、米株が再び上昇局面へ転じていることで、下値も堅い展開が想定される。攻防分岐はビッドが観測されている113.00。112円台へ下落しても、ビッドが断続的に観測されている112円後半(112.80 / 112.70 / 112.60)で押し目買いが入る展開を想定している。
一方、ユーロドルは、ドル円以上に金利差に反応する展開が続こう。本日は重要な米指標データの発表やFEDスピーカーの講演等は予定されていない。昨日の動向が継続することを想定し1.1400の突破となるか、この点に注目したい。「米長期金利の低下→米独利回り格差の縮小」の局面でも1.1400すら突破できない状況が続けば、6日以降の米指標データが良好な場合、1.13割れをトライする展開を想定したい。1.1405から1.1425にかけては断続的にオファーが観測されている。一方、1.1300にはビッドの観測あり。
【チャート①:米長期金利/米株ボラティリティ(VIX)】