Market Analysis
4月以降、ドル円は日米長期金利の格差と正の相関関係を取り戻しつつある(チャート①参照)。だが昨日、米長期金利の上昇によりその格差が急拡大したにも関わらず、ドル円の上値は抑制された。この状況は、ドル円と金利格差が完全に元の相関関係に戻ったと判断するにはまだ早いことを示唆している。この点はユーロドルも同じである。米独10年債利回り格差は3月下旬に一度拡大傾向が止まった232bpの水準を突破した(チャート②参照)。しかし、ユーロドルは1.24台を視野に底堅い状況が続いている。米国市場がリスク選好相場(=株高 / 金利上昇)となっても米ドル高圧力が高まらない事実は、米ドル特有の売り要因である通商政策リスクが根強く意識されているためだろう。
本日もドル円は、米ドル安圧力をリスク選好相場が相殺する状況が続こう。一方、ユーロドルも上限を短期レジスタンスライン、下限を日足転換線と想定したレンジ相場が続こう。ドル円とユーロドルのテクニカルポイントはチャート③を参照されたし。
東京時間では豪ドルに注目したい。この日は3月雇用関連指標が発表される。この指標はRBAの金融政策に大きな影響を与えるため、総じて市場予想以上ならば豪ドル買いで反応しよう。上値の攻防分岐は84.00となろう。短期レジスタンスラインおよびリトレースメント38.20%の突破は、84.00トライのシグナルと想定したい。豪ドルのテクニカルポイントはチャート④を参照されたし。
【チャート①:ドル円と日米10年債利回り格差】