Analyst's view
米ドル相場との相関性が高い10年債利回りは2.40%でキャップされる状況となっている。FOMC議事録(9月19~20日開催分)では、現在のインフレ低迷には持続的な要因の可能性ありとの指摘があった。FEDが注視している低インフレの状況が克服されない限り、10年債利回りが2.4%の水準を突破し、且つ上昇基調を維持する可能性は低い。本日は生産者物価指数(PPI)が発表されるが、このインフレ指標に対するこれまでの外為市場の反応を見る限り、余程市場予想を上回る内容でない限り材料視される可能性は低い。11日のレポート「反発ムードが高まるユーロドル」で指摘したとおり、2.4%前後の攻防の行方は9月CPIの結果次第となろう。
本日、ドル円相場のトレンドを見極める上で注視すべきは株式動向となろう。米株は連日の高値更新となり、過熱感から調整売り圧力が強まりやすい状況となっている。だが、本日の米金融機関(JPモルガン・チェース、シティ・グループ)の決算が良好ならば、米株高基調は継続しよう。米金利の上昇圧力が抑制されても株高維持ならば、ドル円の下値が限定的となることは昨日の動向が示唆している。本日の下値攻防分岐は2日連続で相場をサポートした21日MA。今日現在112.20前後で推移している。このMAを下方ブレイクする場合、113.44からの23.60%戻しが推移し、且つビッドが観測されている112.00トライを想定したい。一方、上値の攻防分岐は10日MAとなろう。9月中旬以降、サポートラインとして意識されてきたこのMAは、今週に入りレジスタンスラインとして意識されつつある。
一方、ユーロドルは、現時点での今年最高値1.2092を起点としたレジスタンスラインのトライが焦点となろう。日足基準線の突破がこのラインを目指すシグナルとなり得る。下値は1.18台の維持が焦点となろう。尚、日足基準線が位置する1.1880レベルにはオファーの観測がある。