Market Analysis
今週も米株の不安定な状況が続いている。頼みの綱だった四半期決算だが、昨日はキャタピラーと3Mが12月通期の業績と1株利益の見通しについて厳しい見方を示したことで株価下落の一因となった。だが、直近のVIX指数は20ポイント前後で右往左往するだけで、先々週のようなヒステリックな反応は見られない。また、株安要因のひとつである米長期金利は、原油価格の下落に伴い3.20%でキャップされる状況となっている。さらにS&P500は2,700ポイント割れ、ダウ平均は25,000ドル割れでそれぞれ買戻し圧力が高まり長い下ヒゲが示現。このタイミングで本日の決算(マイクロソフト、ボーイング、AMD、AT&T他)が市場予想を上回る場合、本日の米株は反発相場を想定したい。
ドル円は引き続き株式にらみの展開となろう。興味深いのは10月第2週以降、米株をはじめとした主要株価指数が不安定化する中でも下落幅が限定的である点だ。米長期金利の上昇に伴う日米利回り格差の拡大が株安圧力をある程度相殺していることは重要なポイントだが、より注視すべきは、現時点での今年最安値104.55を起点としたサポートライン(今日現在111.95前後)を維持し続けている状況の方である。世界的な株安局面でもこのラインを維持するということは、現在「ドル買い需要 > 円買い需要」の状況にあり、それ故緩やかな上昇トレンドにあると市場が強く想定し続けていることを示唆している。よって、米株が反発する場合はリスク選好トレンドに追随し21日MA(112.92)のトライを意識したい。一方、米株反発の予測が外れる場合は、サポートラインの下方ブレイクを警戒したい。この場合、次のターゲットは直近高値114.54 からのリトレースメント61.80%の水準111.59 を想定している。111.90 と111.80 にはビッドが観測されている。112.90 にはオファーの観測あり。一方、ユーロドルは、ECB イベントを意識した売り買い交錯相場を想定。下値トライの場合は、引き続き1.1430 の攻防を注視する展開となろう。一方、上値の焦点は10 日MA が推移している(1.1517 前後)となろう。1.1430 および1.1400 にはビッド、1.1550 にはオファーがそれぞれ観測されている。
【チャート①:米長期金利】