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株安局面でもドル円は上昇トレンドを維持

Market Summary
23日の海外外為市場は、円買い優勢の展開となった。この日の主要な海外株価指数は総じて下落。外為市場では円高圧力が高まり、ドル円は一時112円台を割り込む局面が見られた(安値111.93)。クロス円では、中国経済の景気減速懸念が意識され、NZD円の下落が目立った(0.32%下落)。一方、ユーロドルは売り買いが交錯する展開に。米独利回り格差の拡大傾向が続き、欧州タイム序盤に安値1.1436まで下落する局面が見られた。しかし1.1430台でのユーロ買い意欲は根強く、NYタイムでは1.1490台まで反発する局面が見られた。
米株は主要3指数が下落。冴えない企業決算と中国の景気減速懸念が意識され、S&P500指数は一時2,700ポイントを下方ブレイクする局面が見られた(安値2,691.43)。ナスダック総合株価指数は主力ハイテク株の買いにサポートされ、前日比31.090ポイント安の7437.539と小幅に反落して終えた。国際商品市況では、NY原油先物12月限が前日比2.93ドル安の1バレル=66.43と大幅に続落した。続落の主因はサウジアラビアの増産観測にあるが、中国経済の景気減速も相場の重石となった。一方、NY金先物12 月限は世界的なリスク回避相場を受け、前日比12.2ドル高の1トロイオンス=1,236.80と3営業日ぶりに反発して引けた。

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Market Analysis
今週も米株の不安定な状況が続いている。頼みの綱だった四半期決算だが、昨日はキャタピラーと3Mが12月通期の業績と1株利益の見通しについて厳しい見方を示したことで株価下落の一因となった。だが、直近のVIX指数は20ポイント前後で右往左往するだけで、先々週のようなヒステリックな反応は見られない。また、株安要因のひとつである米長期金利は、原油価格の下落に伴い3.20%でキャップされる状況となっている。さらにS&P500は2,700ポイント割れ、ダウ平均は25,000ドル割れでそれぞれ買戻し圧力が高まり長い下ヒゲが示現。このタイミングで本日の決算(マイクロソフト、ボーイング、AMD、AT&T他)が市場予想を上回る場合、本日の米株は反発相場を想定したい。

ドル円は引き続き株式にらみの展開となろう。興味深いのは10月第2週以降、米株をはじめとした主要株価指数が不安定化する中でも下落幅が限定的である点だ。米長期金利の上昇に伴う日米利回り格差の拡大が株安圧力をある程度相殺していることは重要なポイントだが、より注視すべきは、現時点での今年最安値104.55を起点としたサポートライン(今日現在111.95前後)を維持し続けている状況の方である。世界的な株安局面でもこのラインを維持するということは、現在「ドル買い需要 > 円買い需要」の状況にあり、それ故緩やかな上昇トレンドにあると市場が強く想定し続けていることを示唆している。よって、米株が反発する場合はリスク選好トレンドに追随し21日MA(112.92)のトライを意識したい。一方、米株反発の予測が外れる場合は、サポートラインの下方ブレイクを警戒したい。この場合、次のターゲットは直近高値114.54 からのリトレースメント61.80%の水準111.59 を想定している。111.90 と111.80 にはビッドが観測されている。112.90 にはオファーの観測あり。一方、ユーロドルは、ECB イベントを意識した売り買い交錯相場を想定。下値トライの場合は、引き続き1.1430 の攻防を注視する展開となろう。一方、上値の焦点は10 日MA が推移している(1.1517 前後)となろう。1.1430 および1.1400 にはビッド、1.1550 にはオファーがそれぞれ観測されている。

【チャート①:米長期金利】

米10年債利回り US 10 years yield
 

【チャート②:ドル円】

USDJPY ドル円

チャート③:ユーロドル】

EURUSD ユーロドル

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