Market Analysis
10月の株安要因は2つある。ひとつは米長期金利の急上昇である。しかし、原油価格に低下圧力が高まっている現在の状況を考えるならば、米金利の動向が株安要因として意識される局面にはない。もうひとつの要因は、国際貿易摩擦である。昨日、11月に予定されている米中会談で貿易交渉が進展しない場合、追加の関税を中国製品に課す可能性が報道された(米ブルームバーグ通信)。米株がこの報道に敏感に反応した事実を考えるならば、目下の株安要因は貿易摩擦に対する思惑にあろう。だが、このリスク要因も米ファンダメンタルズが崩れない限り、株安がトレンド化する可能性は低い。その米ファンダメンタルズだが、7-9月期GDP速報値は市場予想(3.3%増)を上回る3.5%増となった。けん引役が個人消費だったところに米国経済の強さがうかがえる。また、9月コアPCEは引き続き2.0%台の水準を維持し米経済の堅調さを示した。今週の重要指標データでも市場予想を上回る内容が続けば、米株は徐々に安定化の方向に向かうだろう。
本日のドル円は底堅い展開を想定したい。米株安でも112円台を維持している状況は、円高圧力を相殺するに十分な程の米ドル高圧力が高まっていることを示している。上値の水準は株式動向次第だが、昨日112.50台へ到達した状況を考えるならば、112.88(10/22高値)までの上昇を想定したい。一方、下値の焦点は、5月安値108.10を起点とした短期サポートラインで変わらず。
ユーロドルは引き続き1.1300の攻防を意識する展開を想定している。現在、サポートポイントとして意識されている1.1330の下方ブレイクは、1.1300トライのシグナルと想定したい。一方、上値の焦点は10日MA(1.1430)の突破となろう。このMAの突破に成功しても、欧州経済の先行き不透明感とドイツ政治の混迷を考えるならば、21日MA(1.1484)もしくは短期レジスタンスライン(1.1500レベル)までの反発が限界と想定している。
【チャート①:ドル円】