【チャート②:ユーロドルチャート】
Analyst's view
16日の独金利は0.369%と、9月12日以来の水準まで低下する局面が見られた(チャート①参照)。低下の主因は、ドラギECBが依然として金融緩和政策の継続を模索しているとの観測にある。9月上旬以降、ECBサイドからユーロ高に対するけん制発言が聞かれているが、先月25日の講演でドラギ総裁はあらためて「為替変動は不安定要素」でありインフレ目標達成には「中期的に一定の不確実性が認められる」と発言。この発言を受け、ユーロドルは相場をサポートし続けてきた日足基準線を大陰線で下方ブレイク。直近はこのラインがレジスタンスへと転換している。米長期金利は2.4%でキャップされているが、10月26日のECB理事会を前に独金利の低下圧力が急速に強まっている点を考えるならば、対ユーロで米ドルが下落し続けるリスクは後退している。この点は、ドル円の下落圧力の後退要因となろう。だが、米長期金利が2.4%前後でキャップされ続ける限り、米ドル高トレンドの回帰は期待出来ない。よって、現状のドル円は株式動向次第でトレンドが左右されやすい状況にあると言える。
本日のドル円は、株高維持を背景に112円台を中心とした攻防を想定したい。本日の上値攻防分岐は、昨日相場をレジストした21日MA(112.38前後)となろう。一方、下値の焦点は、ビッドが観測されている111.50レベルの維持となろう。ユーロドルは下値トライを警戒したい。コンスタンシオECB副総裁の講演(日本時間17時)や10月の独ZEW景気期待指数が変動要因となる可能性がある。チャート分析の詳細はテクニカルレポートにて。