Market Analysis
筆者の予想に反しドル円は2日連で下落した。昨日の下落の主因は中国による米債投資戦略の見直しであり、一昨日のそれは日銀のオペ減額だった。ファンダメンタルズの変調が主因ではないため、直近の下落はポジション調整と判断したい。だが、昨日の大陰線示現によりトライアングルの下限が一気に破られた。また、オシレーター系では-DIと+DIのかい離拡大、ADXの上昇基調そして売り買い分水嶺の50.00を一気に下回ったRSIの動向も考えるならば、テクニカル面では調整相場の加速シグナルが点灯している。投機筋の円売り越しポジションが12万枚以上積み上がっている点も、調整相場を促す要因となろう。次の下値ターゲットは、リトレースメント50.00%でありビッドの観測がある111.00レベル。111円割れとなれば、トライアングル下限の起点である昨年11月27日安値110.83を視野に下落幅が拡大しよう。ドル円のチャートポイントは、チャート①を参照されたし。
一方、ドル円以上に下落リスクを警戒すべきと指摘したユーロ円は、かろうじて短期サポートラインを維持している(チャート②参照)。4日続落の状況を考えるならば、目先は調整の買戻しが散見されよう。だが、米ドル安圧力が強まったにもかかわらずユーロ買いが抑制された昨日の動向を考えるならば、ユーロ高調整圧力は根強い。よって、ユーロ円は引き続きダウンサイドリスクを警戒したい。サポートラインを下方ブレイクする場合、次のターゲットは132.00前後を想定。このレベルはリトレースメント50.00%の水準でもある。