Market Analysis
週前半の外為市場は、米朝首脳会談と米FOMCの内容を見極めたいとの思惑を背景に、売り買い交錯の展開が想定される。通貨オプション市場ではこれらイベントリスクが意識され、ドル円のリスクリバーサルが下方に拡大中。株式市場で調整相場となれば、108円台の攻防シフトを警戒したい。株高トレンドを崩す要因として今週注視すべきリスクシナリオは、①米朝首脳会談の失敗と②FEDの利上げペース加速にあろう。①については、水面下の交渉の段階で一度破談しかけた会談を予定通り行うことになった経緯を考えるならば、米朝間では懸案事項の解決に向けたプロセスが相当話し合われたことだろう。よって、今回の会談がリスク回避圧力を高める可能性は低い。
より注視すべきはFEDの動向にあろう。6月FOMCでは最新の経済予測とドットチャートが公表される。直近の指標データとFOMC議事録の内容を考えるならば、ハト派のFOMCとなる可能性は低い。よって、警戒すべきは利上げペースの拡大にあろう。このケースでは、米株の反応を注視したい。2月上旬とは違い、現在の米株には金利の上昇に対する耐性が強まっている。だが、利上げペースの拡大が判明し、それが株安圧力を高めるならば、FEDの政策自体も今後リスク要因として米国株式市場で意識されるシナリオが浮上しよう。中銀リスクという観点では、ECBイベントも警戒したい。先週、突如として量的緩和終了の思惑が外為市場と欧州株式市場で意識された。14日のECB理事会でドラギ総裁がQ1の冴えない経済状況を受けて尚、量的緩和終了に積極的なスタンスを示せば、米欧の中銀リスクが両株式市場の下落圧力を高める可能性がある。このケースでのドル円は、108円台への下落を警戒したい。株安が米長期金利の低下圧力を高めるならば、108円ブレイクを警戒したい。一方、中銀イベントを無難に通過する場合、ドル円は堅調地合いを想定したい。6日高値110.26の突破は111円トライのシグナルのひとつとして意識したい。
一方、ユーロドルは中銀イベント次第で上限に大きく振れる可能性があろう。ドル円同様、直近のリスクリバーサルが再び下方に拡大傾向にある点を考えるならば、警戒すべきは下値トライだろう。サポートポイント1.1650を下方ブレイクする場合は、1.1600トライを意識したい。これらサポートポイントにはビッドの観測あり。一方、上値の焦点は7日高値レベルでありオファーが観測されている1.1850の攻防となろう。このレジスタンスポイントを突破すれば、次のターゲットはリトレースメント50.00%の1.1960そして節目の1.2000となろう。
【チャート①:米長期金利 / 米株ボラティリティ】