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【ドル円の週間見通し】米ドル安・円高の同時進行を警戒 146円のブレイクはさらなる下落のサインに

景気懸念が米国市場を襲っている。ナスダック総合指数は調整局面入りし、米債市場では利回りが急速に低下している。米金利の低下を受け、日米の利回り格差が急速に縮小している。今週も米ドル安と円高の同時進行を警戒したい。ドル円の焦点は、重要なサポート水準「146.00」の攻防となろう。

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記事のポイント

・米国市場を襲う景気懸念、低下幅が急速に拡大する米金利
・米金利の低下は、外為市場で米ドル安の圧力を高めている
・急速に縮小する日米の利回り格差、ドル円は146.00割れの局面あり
・ドル円が「146.00」を完全にブレイクすれば、さらなる下落を警戒したい


景気懸念を高めた7月の米雇用統計

米労働省が先週2日に発表した7月の雇用統計によれば、非農業部門雇用者数は前月比11万4,000人増と、予想の17万5,000人を大きく下回った。平均賃金は前年同月比で+3.6%と、前月の+3.9%から大幅に低下し、賃金インフレの鈍化が鮮明となった。

各市場の参加者が注目したのが失業率だった。7月は4.3%と、2021年10月以来、約3年ぶりの高水準まで上昇した。サーム・ルール※の経験則に従うならば、7月の失業率上昇はアメリカの景気が後退局面に向かっていることを示唆している。

※サーム・ルール:直近3ヶ月の平均失業率が、過去12ヶ月の最低値から0.5ポイント上昇したとき、景気後退に入るという経験則

米失業率とサームルール景気後退指標の動向:23年以降

アメリカの失業率とサームルール景気後退指標の動向:23年以降 ブルームバーグのデータで筆者が作成

急速に拡大する米金利の低下幅

景気懸念が米国市場を襲っている。株式市場ではナスダック総合指数の下落率が、7月10日の史上最高値から10%を超え調整局面入りのシグナルが点灯した。ダウ平均(DJI)は50日線(2日時点39,460ドル)、S&P500種株価指数(SPX)は4月安値と7月最高値の半値戻しの水準5,311レベルを下方ブレイクする局面が見られた。

米株安はリスク回避の米ドル買いの要因である。しかし、米ドル相場のトレンドを考えるうえで株価の動向以上に重要なのが、米債市場の動きである。

景気の先行きを織り込んで動く10年債利回り(以下では長期金利)は、先週2日の市場で3.78%まで急低下した。23年末からの上昇を帳消しにする長期金利の低下は、それだけ景気の先行きリスクに対する投資家の懸念が高まっていることを示唆している。

一方、金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りの低下幅も急速に拡大している。2日の市場では3.8%台まで低下した。この動きは、米連邦準備制度理事会(FRB)による今年3回の利下げを完全に織り込んだ動きといえる。

また、短期金融市場では9月の利下げ幅が50ベーシスポイント(bp)になる可能性を織り込み始めている。

米金利の低下は、外為市場で米ドル安の圧力の強めている。米ドル相場のトレンドを示すドル指数(DXY)は現在、今年3月以来となる103.00ポイント割れの可能性が高まっている(上のチャート、赤ラインを参照)。

米金利とドル指数の動向:年初来

米金利とドル指数の動向:年初来 ブルームバーグのデータで筆者が作成

急速に縮小する日米の利回り格差

上で述べた米金利の動きは、日米利回り格差を急速に縮小させている。この動きに追随し、ドル円(USD/JPY)の下落幅が拡大している。

景気懸念を意識した今の相場が、短期で終息する可能性は低いだろう。その懸念は国内の長期金利の低下圧力も高めているが、米金利の低下幅が急拡大している状況を考えるならば、今週も「日米利回り格差の縮小→ドル円の下落幅拡大」を警戒する1週間となろう。

日米の利回り格差とドル円の動向:年初来

日米の利回り格差とドル円の動向:年初来 ブルームバーグのデータで筆者が作成

焦点は引き続き米経済指標に

7月のISM非製造業景気指数

今日は、7月の米ISM非製造業景気指数が発表される。アメリカ労働者の約85%がサービス業に従事している。ゆえにISM非製造業景気指数は、製造業指数以上に重要な指標といえる。

7月の市場予想は51.0と、前月の48.8から改善する見通しにある。予想以上の内容ならば、株安と米金利の低下が一服する可能性がある。外為市場では米ドルの買戻しが予想される。

しかし、一度高まった景気懸念がひとつの経済指標で下火になることはないだろう。ゆえに、米ドル相場が反発しても「ブルトラップ」を警戒しておきたい。

一方、製造業に続き非製造業(サービス業)でも景気懸念を高める内容が確認される場合は米株安の進行、米金利の低下幅拡大、米ドル安の展開を警戒したい。

アメリカのISM非製造業景気指数:23年7月以降

アメリカのISM非製造業景気指数:23年7月以降 ブルームバーグのデータで筆者が作成

ドル円の週間展望とチャート分析

焦点は146.00の攻防

ドル円(USD/JPY)は先週2日の市場で146.40台まで下落した。ゆえに、週明けのドル円は、「146.00」の攻防が焦点となろう。この水準はサポートラインへの転換が確認された重要水準である。

本日早朝に146.00を下方ブレイクする局面が見られた。しかしすぐに146.30台まで反発した。これら一連の動きは、146.00レベルがサポートラインとして意識されていることを示唆している。ゆえに、ドル円の146.00完全ブレイクは、さらなる下値トライのサインとなろう。

日足のMACDとモメンタムは、いずれもドル円の弱気相場に勢いがあることを示唆している。10日線がレジスタンスラインとなり、あっさりと200日線を下方ブレイクしている状況やこれら移動平均線がデッドクロスへ向かっていることも考えるならば、「146.00のブレイクアウト→下落幅の拡大」を想定しておきたい。

※本レポートを掲載した後、ドル円は145.70台へ下落

ドル円のチャート:日足 23年12月以降

ドル円のチャート:日足 23年12月以降

出所:TradingView

146円ブレイク後の焦点は?

ドル円(USD/JPY)の週足チャートをみると、52週線と2021年9月の安値を起点としたサポートラインを完全に下方ブレイクしている。トレンド転換のシグナルが点灯するなか、今週ドル円が上で述べた146.00をも下方ブレイクすれば、下落幅の拡大を予想する。

このケースで注目したいのが、23年1月安値と24年7月高値の半値戻しの水準144.59レベルである。ドル円がこの水準をも下方ブレイクする場合は、140円の維持が焦点として浮上しよう。

フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準140.49の下方ブレイクは、節目の140.00をトライするシグナルと想定しておきたい。

ドル円のチャート:週足 2021年以降

ドル円のチャート:日足 23年12月以降

出所:TradingView

反発局面での焦点は?

一方、ドル円(USD/JPY)の反発局面では、レポート掲載時点での8月高安のフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。

フィボナッチ・リトレースメント以外で目先注目したい水準が、147.50レベルである。この水準は、先週2日のNY時間で相場の反発を止めた経緯がある(下のチャート、赤ラインを参照)。

45分足のRSIとストキャスティクスはともに売られ水準の水準にある。上で取り上げた7月の米ISM非製造業景気指数でサービス業の堅調さが確認される場合は、ドル円の反発と上記フィボナッチ・リトレースメントのどの水準で戻りが止められるのか?を確認したい。

ドル円のチャート:45分足 7月31日以降

ドル円のチャート:日足 23年12月以降

出所:TradingView


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