KDDIは11月1日、楽天と決済、物流、通信分野における業務提携を発表。特に通信分野では、楽天が来年10月に開始する携帯キャリアサービスに対し、KDDIが通信ネットワークを提供するローミング協定を締結した。両社の提携は政府の携帯料金引き下げの取り組みに影響を及ぼす可能性がある。
楽天は第4の携帯電話会社として参入し、通信大手3社の寡占に切り込むことが想定されていたが、一転してKDDIと手を組むことになる。
携帯電話の基地局の整備にはコストと時間がかかるが、楽天は参入当初から全国でサービスを提供できるめどが付いた。KDDIによる通信ネットワークの提供時期は2026年までで、それまでに楽天は自社で全国ネットワーク建設を進める予定という。
また、KDDIはローミングを提供する代わりに、スマートフォン決済やネット通販などで楽天のインフラを活用する。
両社の提携は、主要先進国に比べて高水準にあるとされる携帯電話料金の引き下げへの政府の取り組みにも影響を及ぼす。菅義偉官房長官はこれまでに「日本の携帯電話料金は高すぎる。4割程度下げる余地がある」とし、また時期については「楽天が参入するあたり」と述べていた。
楽天がKDDIと手を組めば、シナリオの修正を余儀なくされる可能性がある。こうしたなか、今回の提携発表の前日、NTTドコモが来年度に2~4割の値下げを行う方針を発表している。
KDDIと楽天の提携に関するネット上の反応を紹介したい。「楽天モバイルのauプラン開始の時点でそんな気がしていた」「ソフトバンクがLINEモバイルを買収したり、楽天がau提携したり、合従連衡が続く」「楽天がKDDIより安い料金を設定できるのか」「政府の意向に逆らえないドコモ。ドコモの筆頭株主NTTの筆頭株主は財務相」