石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟の主要産油国が協調減産で合意する可能性が高まった。こうしたなか、トランプ米大統領は産油国の減産を探る動きをけん制した。
6日に開催されるOPEC定例総会を前に、加盟国と非加盟産油国の閣僚らが5日にウィーンで会合を開き、協調減産を行うことで合意したことが伝えられた。期間は来年1月からの半年間になる見通し。減産量は今後決定する。
OPEC加盟国は6日の総会でまず加盟国の減産を決定。OPEC非加盟の産油国も加わる7日の拡大会合で協調減産を正式決定する方針だ。
一方、米国のトランプ大統領5日、ツイッターへの投稿で「OPECが現行の産油水準を維持し、削減しないことを望む。世界は原油価格の上昇を見たくないし、必要ともしていない」と述べ、産油国をけん制した。
サウジはトランプ氏に配慮も
トランプ大統領はサウジアラビア人記者カショギ氏の殺害事件について、サウジの事実上の最高権力者のムハンマド皇太子が関与したとの説は当たらないとの立場を取る。米中央情報局(CIA)とは見解を異にしており、皇太子の擁護に回っている。
CIAのハスペル長官は4日、カショギ氏の事件について上院指導部の議員らに非公開で説明。終了後に議員らはムハンマド皇太子が関与していたことを確信したと語っている。
OPECの盟主サウジアラビアは来年1月から大幅な生産抑制が必要だと訴えているものの、トランプ氏の意向に配慮して減産量を小幅にとどめる可能性はある。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)によると、5日時点で原油先物市場は60.35%の確率でOPECが「小幅な減産」を決めると見込んでいる。先月30日時点では「小幅な減産」と「減産なし」との見方が拮抗していたが、その後は小幅減産派が増加。一方、「大幅な減産」の確率は1%に満たない。
米国の指標原油のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は10月上旬、1バレル=76ドルをつけたが11月末には一時50ドルを割り込んだ。期近の2019年1月限の5日終値は前日比0.36ドル安の52.89ドル。