25日午前の東京株式市場は大幅続落。日経平均株価の下げ幅は1000円を超えた。米国市場の大幅続落やドル安・円高の進行で投資家がリスク回避の動きを強めた。
日経平均の午前の終値は前週末比1018.74円(5.05%)安の1万9147.45円。取引時間中としては2017年5月1日以来、約1年8カ月ぶりの安値となる。
日経平均を構成する225銘柄が一時、すべてマイナスになった。業種別では精密機器の下げが6.83%と最も大きい。医薬品(5.99%)、水産・農林業(5.67%)、サービス業(5.59%)がこれに続く。
VIX指数が上昇
24日の米国市場では、恐怖指数と呼ばれるVIX指数が2月以来の高い水準を付けるなか、株式相場が大幅に続落。
ダウ平均株価は653.17ドル、率にして2.91%下げた。
ムニューシン米財務長官が23日に米銀大手6行の首脳と電話協議を行い流動性を確認したことが投資家の不安をあおったことに加え、マティス国防長官の辞任、トランプ大統領によるパウエル連邦準備制度理事会(FRB)批判、22日から継続している米政府機関の一部閉鎖、米中貿易を巡る懸念などで市場では売りが優勢になった。
米長期金利が低下
株価下落を受けて株式市場から債券市場に資金がシフトするなか、米債券市場では10年債利回りが一時2.73%と4月上旬以来ほぼ8カ月半ぶりの低水準を付けた。
外国為替市場では長期金利の低下や株安でドルが売られ、相対的に安全な通貨とされる円が買われる動きとなり、25日の東京市場でもこの流れが続いた。
ドル・円相場は一時、4カ月ぶり安値となる110.05円まで下落した。