中国の販売不振で三菱自動車が下落、自社株買いに期待が高まる
三菱自動車は、中国での「特別損失」を計上し、株価が急落した。4月第5週には、複数の企業による決算発表が控えており、投資家の間では自社株買いに期待が高まっている。
中国での販売不振により三菱自動車の株価が下落
4月26日、中国での販売台数の下方修正を発表した三菱自動車の株価が下落した。同社は昨年末、中国でクロスオーバーSUV「アウトランダー」を発売した。
今回公開した資料には、「中国国内市場の変化や、競争が激化する中、販売計画未達が継続しており、収益性が低下する見込み」であることが記載されていた。また、同社は投資家に対し、中国市場の厳しい販売状況の中、個別決算で226億円の「特別損失」を計上する見込みであることも明らかにした。
投資家が利益への影響を考慮した結果、同社の株価は前日比で2.6%下落し、時価総額は7335億円まで落ち込んだ。しかし、同社は投資家に対し、特別損失の影響は以前の予測に「ある程度」織り込まれていたため、見通しは変更していないと述べた。
中国市場が予想を上回る勢いで電気自動車の導入に適応していることなどを受けて、自動車メーカーは急速に変化する中国市場への対応に追われている。
投資家の警戒心とは裏腹に、同社にとって中国はかなり小規模な市場である。同社はこれまで、ほとんどの自動車モデルを日本国内と北米で販売してきた。2023年1~3月期の世界全体の売上高が2兆4800億円であるのに対し、「中国・他」の売上高は100億円にとどまっている。
さらに、中国における需要の鈍化は、中国市場を輸出先とする他の日本株にも打撃を与える恐れがある。中国は日本にとって最大の貿易パートナーであり、消費者行動の変化を示す兆候が見られる場合、日本の主要輸出銘柄に悪影響を及ぼすことが予想される。
決算週にかけて自社株買いが期待される
大規模な決算シーズンが始まる中、弱気な海外市場の流れを受けた三菱自動車株の下落は、その他の日本株も続いて下落する可能性を示唆している。同社が5月9日に最新決算を発表する一方で、複数の企業が4月第5週に決算を発表する。
日経平均株価は4月26日に0.7%安の28,416円47銭で引けた。投資家は、企業の決算内容に高インフレと厳しい経済見通しの影響があることを予感しているのかもしれない。
例えば、投資・証券会社の野村ホールディングス(8604)やテクノロジー関連企業のアドバンテスト(6857)は、最新の決算報告で業績不振に陥ったことから急落し、景気がビジネスに与える影響の大きさがうかがえた。
しかし、今後の決算週では、自社株買いが控えているため期待ができそうだ。日本企業はここ数四半期、投資家を惹きつけるために自社株買いを相次いで行っている。自社株買いは、企業の資産の流通量・供給を減らして需要を喚起することで、株価の上昇を図る。
実際、S&P日本500指数の中でも自社株買いの比率が高い上位50銘柄を追跡する指数であるS&P日本500バイバック(自社株買い)指数は、日本企業による自社株買いが膨らんだことを背景に、年初来で8.2%上昇した。
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