ネトフリ、収益期待保てるか 19日決算 株価上昇はS&P500上位
ネットフリックスが19日に決算を発表する。株価の3か月上昇率がS&P500の上位4%に入る期待の高さを保てるか?
動画配信大手のネットフリックスが19日に発表する2023年4-6月期決算は増収減益が見込まれている。ネットフリックスは1-3月期に会員数の伸びが減速したが、その後、株価は大きく伸びており、直近3か月の伸び率はS&P500種構成銘柄内でも上位に位置している。株価値上がりの背景には、収益性改善に向けた取り組みへの評価があり、4-6月期決算で投資家の期待をつなぎとめられるかに注目が集まる。
ネットフリックスの2023年4-6月期決算は増収減益予想
ネットフリックスは19日午後4時(日本時間20日午前5時)ごろに4-6月期決算を発表する。決算に関する動画インタビューは2時間後に公開される。金融情報会社リフィニティブのデータによると、ネットフリックスの決算に関する市場予想は総収入が前年同期比3.8%増の82.7億ドル。調整ベースの1株当たり利益は11.3%減の約2.84ドルと見込まれている。ネットフリックスは過去13回の四半期決算のうち、前回を含めた3回で総収入が市場予想を超えなかった。1株当たり利益では6回、市場予想を下回っている。
ネットフリックスの株価(NFLX)は2021年10月29日に上場来高値(690.31ドル)をつけたものの、その後の約半年間で約4分の1まで下落。現在は2022年5月11日に付けた底値(166.37ドル)からの回復途上にある。11日の終値は440.21ドルで、上場来高値の3分の2程度まで戻ってきた形だ。
リフィニティブによると、直近の株価と今後12か月の予想年間収益から算出される株価収益率(PER)は34.2倍。動画配信事業で競合するウォルト・ディズニー(18.4倍、DIS)よりも割高だ。一方、やはり動画配信を手掛けているアマゾン・コム(61.3倍、AMZN)よりは割安だといえる。アナリストが提示する目標株価の平均は403.09ドルだが、6月末以降、目標を500ドルに引き上げる動きも相次いでいる。43人のうち13人が強い買い、8人が買いを推奨。20人は維持、2人は売りを勧めている。
広告付き低料金プランなどの収益性改善策に期待
ネットフリックスの1-3月期決算は総収入に加え、会員数の伸びも市場予想を下回った。4-6月期に関しても、会員数は前期比168万人増と予想されており、前期実績の175万人増を下回る控えめな水準となっている。それでもネットフリックスの株価は決算発表後、大きく伸びてきた。11日終値段階での直近3か月間の上昇率は30.3%で、S&P500種構成銘柄内で上位4%にあたる19位につける人気ぶりだ。
ネットフリックスへの期待の大きさは、会員数の増加や収益性アップを狙った広告付き低料金プランなどの施策に支えられている。広告付き低料金プランは米国では2022年11月から開始。月額料金の面では収入減少につながる要因だが、広告収入が増えることを考慮すれば、通常プランを上回る収益性を上げているという。また、非会員が知り合いのアカウントを使って動画を視聴する行為に関するルールを明確化し、会員増につなげる施策にも取り組んでいる。
19日の決算発表ではこうした施策の効果についてどのような説明がなされるかも焦点だ。投資家が決算の内容や今後の見通しを前向きに受け止めれば、株価に上昇圧力がかかる可能性もありそうだ。
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