ネットフリックス決算、会員増鈍化 株価は一時急落後回復 新施策に手ごたえ
ネットフリックスの2023年1-3月期決算は成長性が戻らなかった。一方、広告付き低料金プランなどの新施策の効果は感じられている。
動画配信大手のネットフリックスが18日に発表した2023年1-3月期決算は総収入や会員数の伸びが市場の予想を下回った。他の動画配信サービスや大手メディアとの会員の争奪戦が激化する中、かつての成長性の復活を示すことはできなかった形だ。ただ、1株当たり利益は市場予想を上回っており、広告付きの低料金プランの導入といった新たな施策の効果も出始めている。ネットフリックスの株価(チャート)は決算発表直後に大きく下落したものの、その後は値を戻している。
ネットフリックスの1-3月期の総収入は3.7%減
ネットフリックスの1-3月期の総収入は81.6億ドルで、前年同期比3.7%増だった。しかし金融情報会社リフィニティブのデータによると、直前の市場予想からは0.2%低いという結果になった。一方、1株当たり利益は2.88ドルで、こちらは直前の市場予想を0.5%上回った。
総収入の伸びが市場予想に届かなかった背景には会員数の伸びが冴えなかったことがある。1-3月期の会員数増加は175万人で、200万人程度だった直前の市場予想を下回った。2022年7-9月期や10-12月期の実績も下回っている。ネットフリックスの会員数は2022年の上半期に約120万人減少した後、かつての勢いを取り戻せるかが課題となっているが、1-3月期も復活は達成できなかったといえる。
動画配信をめぐってはアルファベット(チャート)傘下のYouTubeやアマゾン・コム(チャート)などとの競争に加え、ウォルト・ディズニー(チャート)などの大手メディアもサービスを強化。ネットフリックスは「競争は依然として厳しい」と指摘している。
広告付き低料金プランやアカウント共有対策で効果
ただ、会員数増加や収益性アップを狙った、広告付き低料金プランでは効果も出ているようだ。ネットフリックスは決算発表にあわせて公表した資料の中で、日米欧などで展開している広告付きプランについて「まだ始まったばかりではあるが、前進に満足している」と言及。通常プランから広告付きプランへの乗り換えは非常に少ないという。また、2022年11月にこのプランを導入した米国では、月額料金と広告収入を考慮した会員1人あたりの収入で、通常プランを上回る実績を上げているという。
また、ネットフリックスは非会員が知り合いの会員のパスワードを使って動画を視聴するアカウント共有の問題についても、対策の効果が出ているとしている。ネットフリックスは2月に、同居を条件にアカウント共有を認める一方、違う場所に住んでいる場合は追加料金をとる方針を明確化。このルールが導入されたカナダでは会員数が増加し、収入はルールが導入されていない米国よりも速いペースで伸びているという。ネットフリックスは資料の中で「われわれが正しいアプローチをとっているという自信が強まった」とし、4-6月期中に米国もルールの対象に加えると公表した。
ネットフリックスの株価は18日の時間外取引で、決算発表直後、一時11%程度値下がりする場面もあったが、その後は18日の終値をやや下回る水準まで回復している。会員数の増加で勢いは示せなかったものの、収益性については投資家から一定の評価を得られたもようだ。
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