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ネトフリ、総収入の勢いがカギ 18日決算発表 一部料金値上げ検討か

ネットフリックスが18日に発表する7-9月期決算は予想を超える総収入を示せるかがカギ。価格戦略にも注目が集まる。

出所:ブルームバーグ

動画配信大手のネットフリックスが18日に発表する2023年7-9月期決算は総収入を期待通りに伸ばせるか焦点だ。ネットフリックスの総収入は4-6月期決算で、2四半期連続の事前予想割れとなり、これまでに株価が2割超下落。今回の決算でも投資家の失望を買えば、さらに株価が下押しされる可能性がある。ネットフリックスは収入アップのために一部料金の値上げを検討しているとも報じられており、どのような価格戦略をどのようなタイミングで打ち出すかにも注目が集まりそうだ。

ネットフリックスの7-9月期決算は7.7%の増収予想

ネットフリックスはアメリカ東部時間の18日午後4時(日本時間19日午前5時)ごろに7-9月期決算を発表する。決算に関する動画インタビューは2時間後に公開される。金融情報会社リフィニティブのデータによると、ネットフリックスの決算に関する市場予想は総収入が前年同期比7.7%増の85.35億ドル。投資家が注目する調整ベースの1株当たり利益は12.9%増の3.5ドルと見込まれている。ネットフリックスは過去14回の四半期決算のうち、直近の2回を含めた4回で総収入が市場予想を下回った。1株当たり利益では6回で予想を超えられなかった。

ネットフリックスの業績(総収入、1株当たり利益)の推移のグラフ

ネットフリックスの株価(NFLX)は2021年10月29日に上場来高値(690.31ドル)をつけたものの、2022年5月11日には166.37ドルまで下落。直近(10月10日)の終値は373.32ドルで、底値からは大きく回復している。しかし4-6月決算発表直前にあたる7月19日の終値(477.59ドル)からは約22%下落している。

リフィニティブによると、直近の株価と今後12か月の予想年間収益から算出される株価収益率(PER)は25.37倍で、動画配信事業で競合するウォルト・ディズニー(17.11倍、DIS)よりも割高だ。一方、やはり動画配信事業を手掛けるアマゾン・コム(43.62倍、AMZN)よりは割安といえる。アナリストが提示する目標株価の平均は465.06ドルで、株価の回復が期待されているかたち。10月に入ってからは目標を525ドルに引き上げるケースも出ている。44人のうち、14人が強い買い、12人が買いを推奨。一方、16人は維持、2人は売りを勧めている。

通常料金プランの値上げを検討か

ネットフリックスのこのところの株価の低迷は総収入の伸び悩みが懸念されているためだ。7-9月期の総収入の市場予想の額はネットフリックス自身が7月に示したガイダンス(85億ドル)に沿った水準で、これを下回る結果になれば投資家の失望が大きくなる可能性がある。

ネットフリックスは総収入の上積みを狙って、2022年、会員が非会員とアカウントを共有する際のルールの明確化に着手。非会員が会員と同居していない場合は追加料金の支払いを求めるなどしている。さらに、広告付き低価格プランの導入も進めており、会員からの月額料金が減少しても、広告収入まで考えれば全体としての収入はプラスになると説明してきた。ただ、4-6月期の決算発表に際しては、広告付き低料金プランが収入や利益の原動力となるまでには「やらなければならないことがたくさんある」としていた

こうした中、米紙ウォールストリート・ジャーナルは3日、ネットフリックスが広告がない通常プランの料金引き上げを検討していると報じた。通常プランを割高にすることで、広告付き低料金プランへの移行を促し、広告収入を増やす狙いだという。同様の価格戦略はディズニーも進めている

ただ、アメリカでは映画やドラマの作成を担う脚本家や俳優によるストライキの結果、魅力的な動画コンテンツを作成するためのコストが上がることも見込まれている。広告付き低料金プランへのシフトで収入が増えたとしても、今度は利益面の悪化が材料視される可能性もあり、ネットフリックスの価格戦略の内容とスピード感が問われる局面だといえそうだ。


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