ネトフリ、株価一時9%超下落 決算で総収入不振 広告成長には時間
ネットフリックスの4-6月期決算は総収入が予想に届かず。時間外取引で株価は急落した。今後、投資家の熱気が冷える可能性も。
ネットフリックスが19日の取引時間終了後に発表した2023年4-6月期決算は総収入が市場予想に届かなかった。利益面や会員数では良好な結果だったが、アカウント共有のルールの明確化や広告付き低料金プランといった新施策が収入減につながった。この結果、S&P500種構成銘柄の中でも目を引く伸び率だったネットフリックスの株価は19日の時間外取引で一時、9%超下落した。ネットフリックスは7-9月期の総収入の見通しも控えめな数字を示しており、投資家の失望が強まったようだ。
ネトフリの2023年4-6月期の総収入は予想に届かず
ネットフリックスの4-6月期決算は総収入が81.87億ドルで、前年同期比2.7%増。金融情報会社リフィニティブがまとめた直前の市場予想の82.95億ドルを下回った。また1株当たり利益は2.8%増の3.29ドル。こちらは直前の市場予想の2.86を大きく上回った。
またネットフリックスの会員数は4-6月期に589万人増加し、2億3839万人に到達した。増加幅は直前の市場予想の188万人を上回り、好調な結果だったといえる。ただ、会員数が期待以上に伸びたにも関わらず、総収入がさほど増えなかった点では不安が残った。会員1人当たり収入(ARM)は前年同期比で3%減少したという。
広告付き低料金プランも収入を下押し
ネットフリックスはARM低下の理由として、会員が追加料金を払えば同居していない2人までとアカウントを共有できるルールを5月から米国でも明確化したことや、比較的月額料金が安い国での会員増が多かったことなどを挙げている。
また、米国で2022年11月から始めた広告付き低価格プランも収入を下押しする要因だ。ネットフリックスは1-3月期決算発表に際して、低価格プランで月額料金が下がっても広告収入を得られることを考えれば、通常プランを上回る収入を得られるとしていた。スペンサー・ニューマンCFOは19日に公開された4-6月期決算に関する動画インタビューの中で、こうした収益構造は変わらないとしつつ、広告付き低料金プランが収入や利益の原動力となるまでには「やらなければならないことがたくさんある」とした。
ネットフリックスの株価は時間外取引で急落
こうした結果を受けて、ネットフリックスの株価(NFLX)は19日の時間外取引で一時、430円ドル台前半まで下落した。19日の終値(477.59ドル)から9%超の下落だ。リフィニティブのデータによると、ネットフリックスの株価の直近3か月の上昇率は42%で、S&P500種(SPX)構成銘柄の中で9番目の高さだったが、急ブレーキがかかった。
ネットフリックスは19日、7-9月期の総収入は85億ドルになるとの見通しを示した。こちらもリフィニティブがまとめた事前予想の86億ドルを下回っている。アカウント共有ルールの明確化や広告付き低価格プランの導入は、ネットフリックスの成長を後押しすると期待されていただけに、今後、投資家の熱気が冷める可能性もありそうだ。
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