アマゾンの株価が4か月ぶり急落 4.25%安 アナリストが投資戦略に注文
アマゾン・コムの株価が7日、急落した。多岐にわたる事業分野の見直しを求めるリポートが投資家心理を冷やしたもようだ。
アマゾン・コムの株価が7日、約4か月ぶりの急落に見舞われた。7日のアマゾンの株価(チャート)の終値は121.23ドルで前日終値から4.25%下落。アナリストがアマゾンの事業戦略の見直しを促すレポートを公表したと報じられたことが投資家心理を冷やしたようだ。一方、この日はアマゾンが動画配信サービスで広告付きプランの展開を検討しているとも報じられたが、株価を押し上げる効果は限定的だった。
アマゾンの投資戦略に懐疑的なリポート
レポートを書いたのはバーンスタインのアナリスト、マーク・シュムリク氏。米メディアによると、シュムリク氏は、アマゾンが「あまりに多くの構想を追求している」とし、アマゾンの株価は時価総額が大きい他の銘柄と比べて劣っていると指摘した。7日午前にこうしたシュムリク氏の見解が報じられると、前日まで4日連続で値上がりしてきた株価は下がり始め、2022年10-12月期決算発表の翌日にあたる2月3日(8.43%下落)以来の値下がり率となった。
シュムリク氏はこの日、CNBCテレビに出演してアマゾンについてコメント。ヘルスケア事業や衛星通信事業を例に挙げて、「これらはアマゾンにしかできない事業ではない。アマゾンの資金をより有効に活用できる投資先が他にあると思う」と話した。
ただしシュムリク氏はアマゾンの株価の先行きを否定的にみているだけではない。アマゾンの投資戦略や投資家に対する情報発信をめぐる懸念を解消すれば、アマゾンの株価は「180-200ドルの範囲」まで上昇すると分析している。これに対して、金融情報会社リフィニティブのデータによると、アナリストが提示するアマゾンの目標株価の平均値は135.66ドルとなっている。
アマゾン・プライムで広告付きプランを検討との報道も
一方、7日には米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が、アマゾンが動画配信事業のアマゾン・プライムで広告付きプランの投入を検討していると報じた。ライバルにあたるネットフリックス(チャート)は2022年11月から広告付きの低価格プランを始め、手ごたえを感じている。また、ウォルト・ディズニー(チャート)も動画配信サービスのディズニープラスで広告付きプランを導入済みで、収益性を改善させている。ただ、WSJの報道後も7日の取引でアマゾンの株価が上向くことはなかった。
アマゾンはこれまで収益の柱であるインターネット通販事業だけでなく、動画配信事業やクラウド事業のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)も成長させてきた。また、医薬品の販売から始まったヘルスケア事業は、病気についてアプリ経由のチャットなどで専門家に相談できるサービスにまで拡大。衛星通信事業では、世界中で高速インターネットを使えるようにする低軌道衛星システムの構築を目指している。アンディ・ジャシーCEOは4月に公表した株主あての書簡で、ヘルスケア事業や衛星通信事業などの成長性を強調している。
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