ディズニー株が一時5%下落 動画配信事業の会員減少 決算は予想通り
ディズニーが決算発表で動画配信の会員減少を明かした。アイガーCEOはさらに広告モデルにシフトする考えだが、株価は下落した。
米メディア大手のウォルト・ディズニーが10日の取引時間終了後に発表した2023年1-3月期決算は総収入が市場予想をわずかに上回り、1株当たり利益は予想とほぼ同じだった。また注目されていた動画配信事業は赤字幅が大幅に縮小。一方で、ディズニープラスの会員数が2四半期連続で前期から減少した。ロバート・アイガーCEOは会員数の減少は軽微だとして、広告付きプランの強化による収益性強化を続ける考えだが、ディズニーの株価(チャート)は時間外取引での下落幅は一時5%近くに達した。
ディズニーの2023年1-3月期決算はほぼ予想通り
ディズニーの1-3月期の総収入は218.2億ドル。ディズニー決算で注目される調整ベースの1株当たり利益は0.93ドルだった。金融情報会社リフィニティブのデータによると、総収入は市場予想の217.8億ドルを上回った。1株当たり利益は市場予想と同じだが、リフィニティブは実績が予想を0.07%下回ったとしている。
動画配信事業の赤字は縮小
また、ディズニープラスとスポーツ動画配信のESPNプラス、コムキャストと共同で保有するHuluを合わせた動画配信事業は6.6億ドルの営業赤字を計上した。2022年7-9月期の約15億ドルから2四半期連続で赤字幅が縮小している。2022年12月に米国でディズニープラスの広告付きプランを導入したうえで、既存の広告なしプランを値上げするなどの収益改善策が実を結んだ形だ。
一方、収益改善の半面、会員数の減少も目立った。ディズニープラスの会員数は前期から約400万人減少し、1億5780万人となった。会員数の減少は前期(240万人減)に続き、2四半期連続だ。クリケットのリーグ戦の放映権を失ったインドでのサービスで460万人減となったほか、米国とカナダの会員数が合計で30万人減少した。その他の地域では90万人増加した。
アイガーCEOは広告モデルへのシフトを明言
アイガー氏は決算会見で、米国での値上げが会員数の減少につながったとの見方に関連し、「会員数はいくらか減少したが、比較的小さい規模だ」と説明。安価な広告付きプランと、値上げした広告なしプランの価格差をさらに広げることで、「会員を広告なしプランに誘導したい」と話した。会員から集める利用料金が減ったとしても、より多くの視聴者に広告をみてもらうことで広告収入を増やすことができれば、動画配信事業の収益性は上がるとの見立てだ。
またアイガー氏はディズニープラスのアプリでHuluの動画を視聴できるようにする方針も表明。「広告主にとってより大きな機会をもたらし、利用者はより魅力的で整頓されたコンテンツにアクセスできるようになる」としている。
ただ、投資家はアイガー氏の説明を額面通りには受け取らなかったようだ。ディズニーの株価は時間外取引で一時96.2ドル程度まで値下がり。10日の終値(101.14ドル)から4.8%の下落となった。その後は96ドル台半ばで推移した。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。