ディズニー株、8%超高 ゲーム、スポーツで新展開 動画配信赤字縮小
ディズニーの10-12月期決算は利益が好調。エピック・ゲームズへの出資やスポーツ事業でのライバルとの共同事業も発表した。
アメリカのメディア大手、ウォルト・ディズニーが7日の取引時間終了後に発表した2023年10-12月期決算は利益面で投資家の期待を上回った。また、ディズニーは決算と合わせて「フォートナイト」を手掛けるエピック・ゲームズへの出資を発表。6日にはスポーツ事業での新展開を発表しており、矢継ぎ早に前向きなニュースを提供している。10-12月期は課題となっている動画配信事業の赤字幅も縮小しており、11月に就任したばかりのロバート・アイガーCEOは戦略に自信を示した。ディズニーの株価(DIS)は7日の時間外取引で一時、8%超上昇し、投資家の期待は高まっているようだ。
ディズニーの10-12月期決算は利益が23%増
ディズニーの10-12月期決算は、総収入が前年同期比0.2%増の235.49億ドル、調整ベースの1株当たり利益(EPS)は23.2%増の1.22ドルだった。LSEGによると、直前の市場予想は総収入が236.43億ドル、1株当たり利益が0.99ドル。発表された総収入は予想を0.40%下回ったが、1株当たり利益は予想を23.6%上回った。
ディズニーが「フォートナイト」のエピック・ゲームズに出資
またエピックへの出資では、ディズニーが15億ドル相当のエピックの株式を取得する。ディズニーが権利を持つ、ピクサーやマーベル、スターウォーズなどのストーリーやキャラクターを生かしたゲームの展開などが想定されている。ディズニーは6日には、スポーツ専門チャンネルのESPNを軸としたスポーツ事業で、ライバルにあたるFOX(FOXA)、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)と共同事業を立ち上げることを発表。アメリカンフットボールのNFLやバスケットボールのNBA、野球のMLBなどの試合を視聴できるサービスを今秋から始めるとしている。
10-12月期は課題となっている動画配信事業でも前進がみられた。動画配信事業の営業赤字額は、7-9月期からの新事業分野ベースでは1.38億ドルで、前年同期の9.84億ドルから縮小。4-6月期までの旧事業分野ベースでは2.16億ドルで、やはり前年同期の10.53億ドルから縮小した。2022年12月から広告付き低料金プランを段階的に導入してきた結果、広告収入が増えていることなどが寄与した。一方、ディズニープラスの2023年12月末時点の会員数は9月末時点から1.2%減少。10月から始めた通常プランの値上げなどの影響があったとみられる。
ヒュー・ジョンストンCFOは決算会見で、動画配信事業の2024年1-3月の営業赤字について「10-12月期と同程度」との見通しを提示。7-9月期に黒字化させる目標を維持した。アイガー氏はディズニー全体の業績について、「10-12月期の結果を踏まえれば、我々の戦略はうまくいっていると自信をもって言える」と述べた。
ディズニーの株価は時間外取引で一時8.6%上昇
また、ディズニーは株主還元策として、7-9月期までに30億ドルの自社株買いを行い、7月に1株当たり0.45ドルの配当を行うことも発表した。配当額は1月に4年ぶりに行った配当の0.30ドルから1.5倍に増えている。2024年9月期(通年)での調整ベースでの1株当たり利益は4.60ドルになり、2023年9月期(3.77ドル)から20%以上増えるという。ディズニー経営陣を批判しているアクティビスト投資家のネルソン・ペルツ氏を牽制する意味合いがありそうだ。
こうした盛りだくさんの発表を受け、ディズニー株は7日の時間外取引で急騰。一時、107.70ドル程度まで値上がりした。7日終値(99.14ドル)との比較では8.6%以上の上昇だ。
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