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ディズニー、上向く株価に冷や水も 2月7日決算 成長鈍化の予想

ディズニーの10-12月期決算は低調な予想。動画配信事業への期待などから株価は上向いているが、流れが変わる可能性もある。

ディズニー、上向く株価に冷や水も 2月7日決算 成長鈍化の予想 出所:ブルームバーグ

米メディア大手、ウォルト・ディズニーが2月7日の取引時間終了後に発表する2023年10-12月期決算は成長ペースの鈍化が予想されている。総収入と1株当たり利益(EPS)はともに前年同期をやや上回る程度と見込まれ、投資家の期待は高まっていないようだ。長らく低迷が続いてきたディズニーの株価は11月の7-9月期の決算発表に上向いたが、勢いがそがれる可能性もある。こうした中、大株主の投資ファンドからは収益改善を求める圧力も強まっており、今後の進展で株価が動く場面も出てきそうだ。

ディズニーの10-12月期決算は冴えない見通し

ディズニーはアメリカ東部時間7日午後4時30分(日本時間8日午前6時30分)に決算会見を開く。LSEGのデータによると、10-12月期決算に関する市場予想は、総収入が前年同期比0.8%増の237.09億ドル、ディズニー決算で投資家が注目する調整ベースの1株当たり利益は1.0%増の1.00ドルと見込まれている。ディズニーは過去16回の四半期決算で、総収入では前回(7-9月期)を含めて6回、市場予想を超えられなかった。1株当たり利益では5回、予想を下回っている。

ウォルト・ディズニーの業績(総収入、1株当たり利益=EPS)の推移のグラフ

ディズニーの株価(DIS)は2022年に約44%下落した。2023年は3.92%上昇したものの、S&P500種株価指数(SPX)の24.23%高を大きく下回った。一方、30日の終値は96.94ドルで、1月に入ってから7.37%値上がりしており、S&P500の3.25%高を上回っている。

LSEGによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は21.06倍。動画配信事業で競合するネットフリックス(32.17倍、NFLX)と比べて割安となっている。一方、同じメディア企業であるコムキャスト(CMCSA)の10.84倍と比べれば割高だ。アナリストが提示する目標株価の平均は103.54ドルで、現状よりも7%ほど高い。31人のうち8人が強い買い、15人が買いを推奨。6人は維持、2人は売りを勧めている。

ディズニーの動画配信事業の赤字縮小に進展は?

ディズニーの株価は7-9月期の決算発表後、大きく上昇した。課題となっている動画配信事業の赤字幅が縮小したほか、スポーツ専門チャンネルのESPNを軸としたスポーツ部門を縮小傾向にあるテレビ事業から切り離し、成長事業として育てる方針を示したことなどが好感された。決算発表翌日の11月9日の終値は前日比6.91%高の90.34ドル。その後も株価は90ドルを超える水準で取引され、1月以降の好調につながった。

こうした株価の勢いを維持できるかどうかは、動画配信事業の赤字縮小に進展がみられるかにかかってきそうだ。動画配信事業の7-9月期の営業赤字は3.87億ドルで、前年同期の14.74億ドルから大きく縮小。ただし赤字幅は4-6月期の5.12億ドルとの比較ではわずかに減っただけだった。10-12月期の動画配信事業の収益が投資家の失望を招く結果に終われば、株価に下押し圧力がかかることは避けられない。

ウォルト・ディズニーの動画配信事業の会員数と営業損益の推移のグラフ

アクティビスト投資家がディズニー経営陣に圧力

また、ディズニーには引き続き、アクティビスト投資家のネルソン・ペルツ氏が率いる投資ファンド、トライアン・パートナーズとの対立という火種も残っている。トライアンは18日、他の株主に対して経営陣の刷新に同意するよう訴える文書を米証券取引委員会(SEC)に提出したと公表。ペルツ氏と、ディズニーでCFOを務めた経験があるジェームズ・ラスロ氏を取締役として選任することなどを求めている。ロイターによると、トライアンはディズニー傘下のマーベル・エンターテインメントのCEOを2023年3月まで務めたアイザック・パルムッター氏とも連携しているという。

ペルツ氏らはロバート・アイガーCEOら現経営陣が動画配信事業の収益化に失敗していることを厳しく批判。動画配信大手ネットフリックスと同等の、15-20%の利益率を2027年までに達成することを目指すとしている。トライアンがSECへの文書提出を公表した18日にディズニーの株価は2.07%上昇しており、トライアンの動向が株価を上げる要因になる可能性もありそうだ。


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