日経平均株価が再び上昇　エーザイはアルツハイマー薬承認で急伸

9日の日経平均株価は急伸し、週明けの12日も上昇機運は続いた。米国の長期金利引き上げがひと段落するとの見方が強まり、商社の株価の上昇が目立った。一方、米国でアルツハイマー向けの薬が承認されるとの期待から、エーザイ（4523）の株価が急伸した。

米国の投資家の注目は、6月第3週開催の米連邦公開市場委員会（FOMC）に注がれている。市場関係者の大半はこれ以上の長期金利の引き上げはないと見ている。9日には、電気自動車を製造・販売するテスラ（TSLA）がゼネラルモーターズ（GM）に急速充電施設「スーパーチャージャー」のネットワークを提供すると報じられ、テスラの株価が4％上昇した。同社はフォード（F）とも同じような提携を発表している。15日に四半期決算発表を控えているアドビシステムズ（ADBE）の株価は、466.59ドルまで上昇し、52週高を更新した。

12日の米ドル／円相場は139円前後で取引された。

商社をはじめとする日本株が再び上昇

7日と8日に修正が入ったものの、9日の日経平均株価は再び上昇し、1.97％高の32,265円で取引を終えた。12日にはさらに0.52％上昇し、32,434円で大引けとなった。

SMBC日興証券の調査によると、2023年の株式市場は自社株買いを主な好材料としており、16日までに4.6兆円分の自社株買いが発表されているとしている。今年自社株買いを発表した企業には、ソニーグループ（6758）、KDDI（9433）、三菱商事（8058）などがある。

9日の取引では商社の上昇も目立ち、5大商社は3.11％～4.62％上昇した。5大商社の中で、最も伸び率が高かったのは丸紅（8002）だが、双日（2768）も注目株となっている。双日の株価は9日に4.57％上昇し、12日には上場以来最高値の3,099円を記録した後、3,071円で取引を終えた。同社は自動車、航空産業・交通、インフラ・ヘルスケア、金属・資源・リサイクル、化学、生活産業・アグリビジネス、リテール・コンシューマーサービスと、幅広い事業を手掛けている。国内5拠点、海外87拠点に23,000人の従業員を抱えており、12日時点で同社の株価は年初来で22％上昇している。

エーザイがアルツハイマー薬の米国での承認を受け上昇

エーザイは日本、米州、欧州、アジア、アフリカ、オセアニアと、全世界に事業を展開している。米国食品医薬品局（FDA）の委員会は9日、LEQEMBIのアルツハイマー病に対する有効性を全会一致で確認した。LEQEMBIはエーザイとバイオジェン（BIIB）が共同開発した薬で、7月6日にFDAによる正式承認を控えている。FDAが正式に承認した場合、米国の公的医療保険制度であるメディケアの対象となると見られている。

FDA委員会の発表前から同社の株価は上昇を始めており、8日には7.37％上昇した。その後2日間上昇は続き、12日には52週高の11,250円をつけた後、10,795円で取引を終えた。

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