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日経平均、3万3000円回復も 週次連騰 S&P500上昇継続

日経平均は2週連続値上がりで大台回復に接近した。一方、10日発表のアメリカの格付け見通し引き下げは不安材料だ。

出所:ブルームバーグ

日経平均株価が上り調子になっている。10日の終値は前週末比600円超高で、約2か月ぶの2週連続の値上がり。約1か月半ぶりとなる3万3000円台回復にも期待がかかる状況だ。また、アメリカの株式市場でもS&P500種株価指数の上昇基調が続いており、相場のムードは明るくなっている。ただ、10日に格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスが米国の信用格付け見通しの引き下げを発表するなど、先行き不安は消えていない。このところ落ち着いていた長期金利(10年物米国債利回り)の上昇が再燃し、株価の重荷になる懸念もありそうだ。

日経平均は2か月ぶりに2週連続の値上がり

日経平均(N225)の終値は3万2568.11円で、前週末から618.22円の上昇となった。前週の約960円の値上がりに続く連騰で、2週連続の上昇は8月21日から9月1日にかけて以来だ。また、11日早朝の日経平均先物は3万2880円で取引を終えており、週明けの3万3000円台回復も視野に入る。日経平均の終値は9月20日を最後に3万3000円を割り込む状態が続いている。

日経平均株価と週次の増減幅の推移のグラフ

米国の株式市場でも10日、S&P500(SPX)の終値が1週間前比1.3%高の4415.24まで回復。やはり2週連続の値上がりで、8日までは8営業日続伸という2年ぶりの記録も達成した。また、10日のニューヨーク債券市場での長期金利の終値は4.628%で、10月下旬につけた約5%という水準からは低くなっている。長期金利の低下は10月の雇用統計で労働市場の過熱感が緩和したことなどが、米連邦準備制度理事会(FRB)が今後は利下げに向かうとの見方を強めたことが要因。長期金利の高さは株式の投資先としての魅力を相対的に薄れさせてきただけに、このところの長期金利低下は株式相場にとって安心材料だ。

日経平均株価とS&P500の週次の騰落率の推移のグラフ

ムーディーズがアメリカの格付けの見通しを引き下げ

ただし米国の長期金利は週明けに再上昇する可能性も出てきた。10日夕方、ムーディーズが米国の信用格付けの見通しを安定的からネガティブに引き下げたためで、米国債が売られやすくなり、価格が下がって長期金利が上昇する事態につながる可能性がある。

ムーディーズは見通し引き下げの理由について、米議会内の対立の結果、「債務返済能力の低下を遅らせるための財務施策に関する合意ができなくなるリスクが高まっている」などと指摘した。一方、懸念されてきた格下げは見送られ、米国の格付けはトリプルAで維持される。米国の格付けをめぐっては、フィッチ・レーティングスが8月1日に最上位のトリプルAからダブルAプラスへの引き下げを行い、長期金利上昇のきっかけを作っていた。

また、2024会計年度のつなぎ予算が17日に期限切れとなることも金融市場にとっての不安材料だ。米議会では新たな予算措置をめぐる協議が急がれているが、下院多数派の共和党が一枚岩になって予算措置を前進させられるかは不透明。改めて政府機関一部閉鎖が現実味を帯びるシナリオも想定される。また、FRBのジェローム・パウエル議長は9日のスピーチで物価上昇沈静化の先行きを楽観することを戒めており、14日発表の10月の消費者物価指数(CPI)の結果を受けて、金利の先高観や株価への下落圧力が強まるおそれもある。


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