任天堂は過去最高益と映画化予定で急伸
任天堂の株価は、過去最高益と通期予想の上方修正を発表したことで急伸した。また、同社は実写版映画の予定も発表した。この記事で取り上げる銘柄は、時価総額に基づいて選ばれています。
9日の日本株は、テック株と自動車株がリードする形で急伸した。マツダ(7261)は通期予想を上方修正したことで上昇した。また、任天堂(7974)の株価は通期予想の上方修正に加え、実写映画の計画を発表したことで大幅に伸びた。
米国では9日、米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が、今後も長期金利の利上げの可能性がまだ残っていると警告したことで、主要3指数が下落した。ワシントンDCで開催された国際通貨基金(IMF)主催のイベントで講演したパウエル議長は、米連邦公開市場委員会(FOMC)がインフレ率を目標の2%に抑えるために十分な対策をしたかについて「確信していない」と発言した。これを受けて株は売られ、ナスダックは0.94%安となった。
10日の米ドル/円相場は151円前後で取引された。
半導体関連銘柄が上昇を主導し、マツダは連日高
9日の日経平均株価は1.49%の32,646円となった。半導体関連銘柄が好調で、レーザーテック(6920)は3.6%、東京エレクトロン(8035)は2.8%高となった。
マツダは7日、2024年3月期の通期予想における連結純利益が前年度比で19%高となるとの見通しを発表した。同社の株価は翌8日に10.39%上昇し、連日高となった。新たな純利益予想は1700億円となっており、従来予想よりも400億円増額している。9日にはさらに2.5%上昇し、1,704円50銭で取引を終えた。
任天堂株は、過去最高益と通期予想上方修正で急騰
任天堂は8日、2023年4~9月期の決算を発表し、純利益は前年同期比17.7%高の2712億円となった。売上高は同21.2%高の7962億円となり、上半期としてはNintendo Switchリリース以来最高であった。この増収の主な要因には、ゲームプラットフォーム事業の売上向上、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』からの収入を含む知的財産とモバイル関連収益の増加、さらに円安があげられる。円安は特に、同社の海外売り上げの価値を押し上げた。
同社はまた、前提為替レートを1ドルあたり130円から140円に変更し、それに伴い通期予想も修正した。事業が堅調に推移していることもあり、同社は通期の純利益予想を3400億円から4200億円に上方修正した。
好材料となった決算に加え、同社は人気アクションRPGゲーム『ゼルダの伝説』の実写版映画を制作する計画を発表した。『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の人気を継ぐ形となるこの映画は、任天堂の代表取締役フェローである宮本茂氏と、数多くのヒット映画をプロデュースしてきたArad Productions Inc会長のアビ・アラッド氏によってプロデュースされる。
トレーダーや投資家はこれを好材料と受けとめ、同社の株価は8日と9日に12%近く上昇し、7,151円に達した。
10日の日経平均株価は前場で下げたものの、後場で取り戻し0.24%安32,568円で取引を終えた。1.41兆円の上半期損失を発表したソフトバンクグループ(9984)の株価は8.17%下落した。任天堂は4.06%安となり、6,861円で大引けとなった。
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