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米ドルの買戻しが続く外為市場 / ドル円とユーロドルの展望について

強い経済指標、期待インフレ率の下げ止まりそしてFRBの利上げが意識され、米金利と米ドル相場の反発が続いている。今日のドル円とユーロドルの展望は?注目しておきたい上下のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

サマリー

・強い経済指標を受け米金利は反発基調を維持する状況に
・米金利の動向を受け外為市場では米ドルを買い戻す展開が続く
・ドルインデックスは21日MA(102.27レベル)の攻防が焦点に
・ドル円の見通しとテクニカル分析について
・ユーロドルの見通しとテクニカル分析について


強い経済指標を受け米金利が反発基調を維持

4月のニューヨーク連銀景気指数は10.8と予想の-18.0を大きく上回り、3月の-24.6からも急速に改善した。

連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げが意識されているタイミングでの強い経済指標は米金利の反発をさらに促し、2年債利回りは4.2%台へ、10年債利回りは3.6%台へそれぞれ上昇した。

米金利のチャート

米金利のチャート ブルームバーグのデータをもとに作成 / 日足:年初来

外為市場では米ドルの買い戻しが続く

金利(名目金利)の動きに連動し、アメリカの実質金利も反発の基調にある。これら米金利の動きにサポートされ、外為市場では米ドルを買い戻す展開が続いている。

米ドル相場のトレンドを示すドルインデックス(DXY)は10日MA(101.83レベル)を陽線で難なく上方ブレイクし、現在は21日MA(102.28レベル)をトライする状況にある。

3月下旬以降、アメリカの期待インフレ率が下げ止まっている。そして4月に入りジワリと上昇する状況にある。欧州の債券市場では欧州中央銀行(ECB)の追加利上げスタンスを受け、ドイツの10年債利回りは約1ヶ月ぶりの水準まで上昇する展開となっている。

このような状況のなか、今日以降発表されるアメリカの重要経済指標で強い内容が続く場合、米債市場では短期的な利回りの反発が続くことが予想される。

ゆえに今の外為市場は、米ドルの買い戻しがどこまで続くのか?この点が焦点となろう。米金利の反発にサポートされドルインデックスが21日MAをも突破する場合は、ドル円(USDJPY)でも上昇幅が拡大する展開を想定しておきたい。

米実質金利とドルインデックスのチャート

米実質金利とドルインデックスのチャート ブルームバーグのデータをもとに作成 / 日足:23年3月以降


ドルインデックスのチャート

ドルインデックスのチャート TradingViewの日足チャート:23年2月以降

ドル円の見通しとテクニカル分析

上昇局面での焦点は134.75レベルの攻防

上で述べた米金利の上昇と米ドルの買い戻しを受け、ドル円(USDJPY)はIG為替レポートで取り上げてきた3月高安の半値戻し133.77レベル(133.80レベル)を完全に上方ブレイクした。

21日MA(132.40レベル)でサポートされてのブレイクであること、そしてMACDがゼロラインを上回ってきた状況も考えるならば、これらテクニカルの動きはドル円の地合いの強さが戻ってきていることを示唆している。

今日のドル円も上値トライを想定しておきたい。テクニカルの面での焦点は、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準134.75レベルの攻防となろう。昨日の高値134.57レベルの突破は、134.75トライのシグナルと想定しておきたい。


下落局面での焦点は133.80レベルのサポート転換

一方、米債市場の調整局面(米債の買い戻し)では、ドル円(USDJPY)の反落を想定しておきたい。

だが、日米の株式市場が上昇トレンドにあることを考えるならば、米金利が低下してもドル円の下落幅は限定的となることが予想される。

ゆえにドル円の反落局面では、破られるまでレジスタンスとして意識されてきた133.80レベル(半値戻し)がサポートポイントへ転換するかどうか?この点に注目したい。

この状況が確認される場合は市場参加者に地合いの強さを意識させ、現在の上昇トレンドが続く可能性を高めよう。

一方、133.80レベルが "サポート転換" に失敗する場合は133円台の維持が次の焦点として浮上しよう。

ドル円があっさりと132円台へ反落する場合は、明日以降、21日MAの攻防へ転じる可能性を意識したい。

ドル円のチャート

ドル円のチャート TradingViewの日足チャート:年初来

ユーロドルの見通しとテクニカル分析

目先の焦点は新たなサポートポイントの見極め

ECBの利上げスタンスを受け、主要な欧州金利は上昇基調にある。

ドイツの10年債利回りは昨日、3月中旬以来となる2.49%まで上昇する局面が見られた。しかしアメリカ長期金利の上昇幅が拡大していることで、直近の米独利回り格差は再び拡大の傾向にある。

米独利回り格差の動きを受け、ユーロドル(EURUSD)では調整の反落ムードが高まっている。FRBによる利上げサイクルの終了が意識されている状況を考えるならば、現時点で米独利回り格差が拡大傾向を辿る可能性は低い。

だが、米金利が反発基調を維持する状況が続く間は、ユーロドルの短期的な反落相場が続くだろう。ゆえに目先の焦点は、新たなサポートの水準を見極めることにある。

米独利回り格差とユーロドルの動向

米独利回り格差とユーロドルの動向 ブルームバーグのデータをもとに作成 / 日足:23年2月以降

上下のチャートポイント

ユーロドル(EURUSD)は昨日、10日MA(1.0937)を日足ローソク足の実体ベースで下方ブレイクした。MACDではデッドクロスが示現しつつある。テクニカルの面でもユーロドルの反落を想定する局面にある。

本日、10日MAがレジスタンスとして意識される場合は、ユーロドルの地合いの弱さを市場参加者に印象付けよう。このケースでは21日MA(1.0890レベル)のトライおよびブレイクが焦点として浮上しよう。

ユーロドルが21日MAをも下方ブレイクする展開となれば、次の焦点は1.08台の維持である。この水準は今月3日に “サポート転換” が確認されている。

一方、反発の局面でユーロドルがあっさりと10日MAを上方ブレイクする場合は、昨日のレジスタンス1.10レベルのトライおよびブレイクとなるか?この点に注目したい。4月ドイツZEW景況感調査が予想(15.3)以上となる場合、または3月アメリカ住宅関連指標でさえない内容が確認される場合は、ユーロドルが反発する可能性があろう。しかし、1.10レベルで戻りが止められる場合は、上で述べたサポートの水準をトライする展開を想定する状況が続くだろう。

なお、今は反落ムードにあるユーロドルだが、上昇トレンドを象徴するサポートラインを維持し続ける限り、新たなレジスタンスの水準を探る展開が続くことが予想される。

ユーロドルのチャート

ユーロドルのチャート TradingViewの日足チャート:22年9月以降

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