【ユーロドル (EUR/USD)】新たなサポート水準を探る状況が続く / 反発局面での焦点は?
景気の底堅さを示す経済指標が続いていることで、米連邦準備制度理事会(FRB)による早期の利下げ期待が後退している。米欧の景況感格差が意識されやすい状況にあることも考えるならば、ユーロドル(EUR/USD)は下値をトライする状況にある。今、注目しておきたいサポートの水準は?反発の局面で意識しておきたいテクニカルラインは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・米国経済の底堅さを示す経済指標が続き、米ドル高が進行している
・ユーロドルが下落基調維持する場合、目先の焦点は1.07の維持となろう
・ユーロドルが1.07をブレイクすれば、次の焦点は1.06の維持となろう
・一方、ユーロドルの反発局面では、2つの移動平均線の攻防に注目したい
米ドル高の進行で1.07の維持が焦点に浮上
こちらのIG為替レポートで述べたとおり、現在の外為市場では米ドル高が進行している。その土台となっているのが経済指標である。
先週2日の1月雇用統計に続き、昨日の同月ISM非製造業景況感指数も市場予想を上回り、米国経済の底堅さを示した。
「強い米経済指標→米金利の上昇と早期利下げ観測の後退→米ドル高の進行」を受け、ユーロドル(EUR/USD)は1.07の維持が目先の焦点として浮上している。
今日もユーロドルが下値をトライする場合に注目しておきたいチャートポイントの攻防は、5日のIG為替レポートで取り上げたフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準1.0712レベルである。
昨日は、昨年12月8日の安値1.0723レベルでサポートされた。このチャートポイントもIG為替レポートで注目している水準である。
ゆえに今日以降、ユーロドルが1.0723レベルを完全に下方ブレイクする場合は、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準1.0712レベルをトライする展開を想定しておきたい。このテクニカルポイントの攻防は、1.07の維持を見極める攻防となろう。
日足のストキャスティクスは現在、売られ過ぎの水準にある(下の日足チャート、赤矢印を参照)。上で述べた各サポートの水準(1.0723レベル、1.0712レベル、1.0700レベル)で一度相場が反発する展開を想定しておきたい。
しかし、モメンタムはゼロラインを下回る状況にある(下の日足チャート、緑矢印を参照)。米欧の景況感格差が意識されやすい状況にあることも考えるならば、ユーロドルが反発しても戻り売りを意識したい。
ユーロドルが1.07の維持に失敗する場合は、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準1.0611レベルを視野に下落幅の拡大を警戒したい。
昨年の11月上旬に相場をサポートした経緯のある1.0660レベルの下方ブレイクは、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準1.0611レベルをトライするシグナルと想定しておきたい。
ユーロドルのチャート:日足23年10月以降
反発局面では2つの移動平均線の攻防が焦点に
一方、ユーロドル(EUR/USD)の反発局面で注目したいのが、10日線と21日線の攻防である。これら移動平均線は現在、下落基調のトレンドチャネル内で推移している(下のチャートを参照)。
10日線は今日現在、1.0822レベルで推移している。一方、21日線は今日現在、1.0870手前で推移している。
反発の局面でこれらの移動平均線がユーロドルの戻りを止める場合、市場参加者に地合いの弱さを印象付けよう。
また、1.08レベルがレジスタンスの水準へ転換し、10日線すらトライできない状況も想定しておきたい。この状況が確認される場合は、移動平均線で戻りが止められる以上にユーロドルの地合いの弱さを市場参加者に印象付けるだろう。
ゆえに、ユーロドルの反発局面で1.08レベルのレジスタンス転換が確認される場合は、戻り売りによるフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準1.0712レベルの下方ブレイクと1.06台への攻防シフトを意識したい。
ユーロドルのチャート:日足23年10月以降
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