【ユーロドル】1.06と1.07、どちらをブレイクするか?
今日は米欧の4月購買担当者景気指数(PMI)速報値が発表される。ユーロドル(EUR/USD)は、これら経済指標の内容で上下に振れる展開が予想される。今日の見通しは?注目のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・今日のユーロドルは、米欧の4月PMI速報値で上下に振れる展開が予想される
・経済指標の内容次第でユーロドルは、1.06を下方ブレイクすることが予想される
・ユーロドルが反発しても、1.07前後のレジタンスポイントでの反落を警戒しておきたい
昨日の動向と今日の注目材料
22日は特段の材料がなく米債市場に大きな動きは見られなかった。外為市場では対主要国の通貨で米ドルの売り買いが交錯した。
一方、この日は中東リスクに対する過度の警戒感がひとまず後退し、欧米の主要な株価指数が上昇した。リスク選好相場を受け、米ドルは豪ドルやNZドルで下落した(下のチャートを参照)。
米ドル相場の動向:4月22日
今日は、ユーロ圏と米国の購買担当者景気指数(4月、PMI)速報値が発表される。内容次第でユーロ相場と米ドル相場の変動要因となろう。
ユーロ圏のそれは昨年の後半以降、改善の傾向にある。4月も前月から総じて改善する見通しとなっている。
予想以上に強い内容となれば、短期間で進行したユーロ売り(対米ドル)の調整要因(ユーロの買い戻し要因)となろう。逆にさえない内容となれば、ユーロ売りの要因になり得る。
ユーロ圏 購買担当者景気指数(PMI)の動向:23年以降
ユーロドル:今日の見通しとチャートポイント
経済指標の内容次第では1.06のブレイクを想定
短期金融市場では現在、米英欧のなかで欧州中央銀行(ECB)が他国の中銀に先んじて、6月の理事会で利下げに踏み切ることを想定している。対照的に米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ期待は後退し続け、現在では9月以降の利下げを意識する状況にある。
この差の主因は米国経済の強さにある。ゆえに、上で述べたユーロ圏の経済指標が市場予想を下回る場合は、相対的な米国経済の強さが意識されユーロドル(EUR/USD)の下落要因になり得る。
また、米国の経済指標が予想以上の内容となれば、ユーロドルの下落幅が拡大する展開を想定しておきたい。
本日、ユーロドルが下値をトライする場合は、22日のIG為替レポートで取り上げた1.06レベル(4月16日の安値レベル)のトライおよび下方ブレイクが焦点となろう。
日足のモメンタムは弱気相場に勢いがあることを示唆している(下のチャート、赤矢印を参照)。ユーロドルが1.06を一気に下方ブレイクする場合は、フィボナッチ・エクステンション100%の水準1.0537レベル、および昨年の10月下旬に相場をサポートした経緯のある1.0520レベルのトライが焦点として浮上しよう。1.0520-40レベルをサポートゾーンと想定しておきたい。
ユーロドルのチャート:日足 23年9月以降
上昇局面でのチャートポイントは?
日足のストキャスティクスは売られ過ぎの水準で、ゴールデンクロスの状況が確認されている(上のチャート、緑矢印を参照)。4月のユーロ圏PMI速報値が予想以上の内容となれば、ユーロドルの短期的な反発相場を想定しておきたい。
このケースでは、10日線(今日現在1.0660台で推移)の突破が最初の焦点となろう(上のチャート、緑ラインを参照)。本日、この移動平均線は短期レジスタンスラインと交錯する(下のチャートを参照)。
ユーロドルが10日線(短期レジスタンスライン)を突破する場合は、1.07レベルをトライするシグナルとなろう。この水準は、サポートからレジスタンスの水準へ転換する可能性がある。そしてテクニカルの面では、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準にあたる。相場の反発を止める可能性のあるレジタンスポイントとして意識しておきたい。
ユーロドルが1.07台へしっかりと上昇してくる場合は、半値戻しの水準1.0733レベルおよび1.0740レベルで推移している21日線のトライが焦点として浮上しよう(下のチャートを参照)。1.0730-40をレジスタンスゾーンと想定しておきたい。
分足、時間のストキャスティクスとRSIを軸にトレンドを追い、上で述べたチャートポイントでの反落または反発のタイミングを探りたい。
ユーロドルのチャート:45分足 4月10日以降
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