【ユーロドル】目先の焦点は1.06の攻防、注目のチャートポイント
米英欧のなかで、欧州中央銀行(ECB)が最初に利下げに踏み切る可能性が意識されている。この思惑はユーロの重石となっている。特に対米ドルでユーロの下落を警戒する状況にある。目先のユーロドル(EUR/USD)の見通しは?注目のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・米英欧のなかでECBが最初に利下げに踏み切る可能性が意識されている
・ECBの利下げ観測はユーロの重石となっている
・FRBの動向も考えるならば、ユーロドルは下値のトライを意識する状況にある
・目先、注目しておきたい上下のチャートポイントについて
米英欧の利下げ時期とユーロ売り
短期金融市場では現在、米英欧のなかで欧州中央銀行(ECB)が最初に利下げに踏み切る可能性が意識されている。
この点はユーロの重石となっている。対米ドルと英ポンドでのユーロの年初来パフォーマンスを確認すると、ユーロ安優勢で推移し続けていることが分かる。
特に対米ドルで下落が拡大している状況は、6月利下げの可能性が意識されているECBと利下げ時期が後ずれしている米連邦準備制度理事会(FRB)の状況を如実に反映している動きと考えることができる(下のチャート、赤ゾーンを参照)。
そして、現在の米債市場はインフレ圧力の根強さと景気の底堅さを受け、利回りが上昇基調にある。この状況も考えるならば、今のユーロドル(EUR/USD)は下値のトライを警戒する局面にある。
ユーロ相場の年初来パフォーマンス:対米ドル / 英ポンド
下落の局面では1.06の下方ブレイクが焦点に
ユーロドル(EUR/USD)は現在、下落基調のトレンドチャネルを下方ブレイクする状況にある(下のチャート、赤ラインを参照)。そして日足のモメンタムは、ゼロラインを下回った後も低下のトレンドを維持し、弱気相場に勢いがあることを示唆している。
ECBがFRBよりも先に利下げに踏み切る可能性が意識されている状況と現在の米金利の上昇基調を考えるならば、ユーロドルは今月16日に相場をサポートした1.06レベルのトライおよび下方ブレイクを意識したい。
今日以降、ユーロドルが1.05台の攻防へシフトする場合は、昨年の10月下旬に相場をサポートした経緯のある1.0520レベルのトライが焦点として浮上しよう。
上の水準1.0537レベルはフィボナッチ・エクステンション100%の水準にあたる。1.0520-40レベルをサポートゾーンと想定しておきたい。
ユーロドルのチャート:日足 23年10月以降
反発の局面では1.07と10日線の攻防に注目
今日以降、ユーロドル(EUR/USD)の反発局面では、1.07レベルの攻防に注目したい。この水準は、レジスタンスへ転換する可能性がある。
また、今日現在10日線が推移しており、テクニカルの面でも1.07レベルで相場の反発が止められる可能性がある(上のチャート、緑ラインを参照)。
ユーロドルが10日線(1.07レベル)を突破しても、21日線が控えている。この移動平均線は今日現在、1.0758レベルで推移している(上のチャート、青ラインを参照)。
直近高安のフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準が1.0764レベルにあたる(下のチャートを参照)。今日以降、ユーロドルが1.07台へしっかりと上昇する場合は、1.0750-60ゾーンのトライが焦点として浮上しよう。
分足や時間足のストキャスティクスおよびRSIでトレンドを追い、反発や反落のタイミングを探りたい。
なお、本レポートを掲載時点では、反発のタイミングを探る状況にある。
ユーロドルのチャート:45分足 今月10日以降
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