【ドル円 (USD/JPY)】注目は植田総裁の会見内容 / 今日のチャートポイント
148円台で底堅さを維持するドル円(USD/JPY)。今日は日銀イベント、特に植田和男総裁の会見内容で上下に振れる展開が予想される。注目しておきたい上下のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・今日の注目材料は日銀イベント、植田総裁の会見内容が変動要因に
・日銀イベントが円高要因となる場合のチャートポイントについて
・日銀イベントが円安要因となる場合は、149円台への上昇を想定したい
底堅さを維持するドル円
22日の外為市場は米ドル買いと円買いが交錯する展開となった。
ドル円(USD/JPY)は安値147.62レベルまで下落する局面が見られるも難なく148円台へと反発。
今月18日続き147.60台を維持したこと、そして日足ローソクで下ヒゲが示現しての反発はドル円の地合いの強さを印象付けた。
ドル円は、目先の上値水準148.50レベルを意識する状況が続いている。
ドル円のチャート:日足 年初来
上値の焦点は148円ミドルの攻防で変わらず
今日のドル円(USD/JPY)は、日銀イベントで上下に振れる展開が予想される。
今回の会合では、現行の金融緩和政策は維持される公算が大きい。
経済・物価情勢の展望(展望レポート)は原油価格の下落を受け、前回23年10月時点で2.8%とした24年度の物価見通しを2%台半ばに下方修正される可能性がある。しかし、当面2%前後で推移するというシナリオについては維持すると思われる。
今後の見通しについて展望レポート内の表現に大きな変化が見られない場合は円売りで反応する可能性がある。
しかし、午後に植田和男総裁の記者会見が控えているため(15時30分開始予定)、会見前の円安の展開ではレジスタンスの水準として意識されている148.50レベルや今月19日の高値148.80レベルが意識されることが予想される(下のチャートを参照)。
ドル円のチャート:日足 23年11月以降
総裁会見が円高の要因となる場合の注目ポイントは?
総裁会見では、賃金の上昇と物価の好循環について見解が焦点となろう。
日足のストキャスティクスは、短期的な相場の過熱感を示唆する状況にある(上の日足チャートを参照)。このタイミングで植田総裁から好循環の達成について確度が高まっている旨の発言がある場合は、投機的な円買いが発生する可能性がある。
総裁会見が円高の要因となる場合、最初の焦点は147円の攻防焦点となろう。今日現在、今年に入り相場をサポートしている10日線が146.95レベルまで上昇している(上の日足チャート、青ラインを参照)。
また、直近高安のフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準が147.10レベルであり、テクニカルの面でも147.00レベルの攻防に注目したい(下の1時間足チャートを参照)。
現在、サポート水準として意識されているフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準147.75レベルの下方ブレイクやこの水準がレジスタンスへ転換する場合は、147.00レベルをトライするシグナルと想定しておきたい(下の1時間足チャートを参照)。
ドル円が147円を下方ブレイクし146円台の攻防へシフトする場合は、146.60レベルと146.00レベルがサポートへ転換するかどうか?この点が焦点として浮上しよう。
146.57レベルは、直近高安の半値戻しの水準にあたる。そして146.04レベルはフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準にあたる(ともに下の1時間足チャートを参照)。
植田総裁の会見内容が円高の要因となる場合は、テクニカルの面でも146.60レベルと146.00レベルは重要なサポート水準として意識される可能性がある。
上で述べたサポートの水準をドル円がトライする局面で、ストキャスティクスなどのオシレーター指標が売られ過ぎの水準まで低下している場合は、反発相場を意識したい。
ドル円のチャート:1時間足 今月12日以降
総裁会見が円安の要因となる場合は149円台の攻防を想定
一方、植田総裁が賃金の上昇と物価の好循環の達成について、現時点ではまだ距離がある旨の発言がある場合、円相場は円安で反応することが予想される。
このケースでのドル円は、上で述べた148円ミドルの水準を突破することが予想される。
根強い米ドル高のトレンドが続くなかで円安の圧力が再び強まる場合は、149.00レベルやフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準149.15レベルを難なく上方ブレイクする展開を想定しておきたい。
ドル円がしっかりと149円台へ上昇する場合は、昨年の11月下旬に連日で相場の反発を止めた149.70レベルの攻防となるかどうか?この点に注目したい。
ドル円がこの水準(149.70レベル)をも突破する場合は、節目の150円トライが現実味を帯びてくる。
再掲:ドル円のチャート:日足 23年11月以降
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