ドル円の週間展望、日銀会合で158円台へ上昇、強気見通しを維持
日銀イベントを受け、ドル円(USD/JPY)は14日の市場で158円台へ上昇する局面が見られた。今週は米国イベントがドル円の変動要因となろう。日米の利回り格差が縮小してもドル円は底堅さを維持している。よって目先の焦点は、上値水準の見極めにある。今週、注目しておきたいチャート水準は?
※今週の注目材料については、こちらのIG為替レポートを参照してください
この記事のポイント
・日銀会合の内容を受け、ドル円は158円台へ上昇する局面が見られた
・日米の利回り格差が縮小しても、ドル円は底堅さを維持している
・今週もドル円の上昇を意識する状況が続くだろう、上値水準の見極めが焦点に
・一方、反落の局面では2つの移動平均線の攻防に注目したい
上値のトライを意識する状況が続く
今週のドル円(USD/JPY)は、引き続き上値のトライを意識したい。
米債市場では現在、利回りが低下の基調にある。米金利の低下は、日米利回り格差の縮小要因となっている。しかしドル円は先週14日、日銀会合の内容を受け、IG為替レポートで注目している重要なレジスタンスの水準「158.00」を突破する局面が見られた。
5月以降、日米の利回り格差とドル円の相関は崩れる状況が続いている。利回り格差の縮小に円高で反応する局面はあったが、それは一時的な動きに終わった。
日米の利回り格差とドル円の動向:23年9月以降
上昇局面での焦点と注目のチャート水準
今週、ドル円(USD/JPY)が上昇トレンドを維持する場合は、2つの点に注目したい。
ひとつは、158円台へ上昇した後、158.00レベルがレジスタンスからサポートの水準へ転換するかどうか?である。この状況が確認される場合は、ドル円がさらに上値をトライするシグナルと想定しておきたい。
もうひとつの焦点は、159円のトライである。5月8日の衆議院の財務金融委員会で植田総裁は、「過去の局面と比べて為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている」と述べ、円安の動向を注視する姿勢を示した。そして24日の定例会見でも同じ表現で過度の円安に対応する方針を示した。
植田総裁の姿勢に加え、政治の面でも円安が問題視されている状況も考えるならば、ドル円の上昇局面では円買い介入が意識されるだろう。それでも159円台へ難なく上昇する場合は、節目の160.00レベルを再びトライするシグナルと想定しておきたい。
ドル円が159円をトライするシグナルとして、注目しておきたい2つのチャート推移準がある。ひとつは、先週14日の高値158.26レベルである(下のチャート、緑矢印を参照)。もうひとつの水準が、フィボナッチ・エクステンション100.0%の水準158.61レベルである。
ドル円のチャート:4時間足 5月13日以降
反落局面で注目しておきたいチャート水準
一方、こちらのIG為替レポートで取り上げた今週の経済指標(5月小売売上高と6月PMI速報値)、そしてFRB高官らの言動がドル円(USD/JPY)の下落要因となる場合は、156円台の維持が最初の焦点となろう。
相場をサポートしている21日線は今日現在、156.70の手前で推移している。そして直近高安の155.93レベルはフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準にあたる。まずは、これらテクニカル水準での攻防に注目したい(いずれも下のチャートを参照)。
ドル円が155円台の攻防へシフトする場合は、50日線のトライを想定しておきたい。この移動平均線は今日現在、155.60レベルまで上昇している。下の水準155.38レベルは、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準にあたる(いずれも下のチャートを参照)。
時間足のストキャスティクスとRSIで相場の短期的な過熱感を追い、これらが買われ過ぎ(売られ過ぎ)の水準でデッドクロス(ゴールデンクロス)の状況にある時、ドル円が上で述べたチャートの水準をトライする場合は、反落(反発)へ転じる可能性を意識したい。
ドル円のチャート:4時間足 4月24日以降
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