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【ドル円 (USD/JPY)】注目材料は米小売売上高 / ドル円の見通しとチャートポイント

ウォラーFRB理事は16日、今年の利下げの可能性について言及した。しかし、そのペースは慎重であるべきと指摘し、市場が抱く利下げ観測をけん制した。米金利に再び上昇の圧力が高まるなか、今日の注目材料は?ドル円(USD/JPY)の見通しとチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

サマリー

・ウォラーFRB理事の発言を受け、16日の米債市場では利回りが上昇した
・米金利の上昇は米ドル買いの要因となり、ドル円は147円台へ急伸
・今日の注目材料は、米国の小売売上高
・ドル円、今日の見通しとチャートポイントについて


ウォラーFRB理事の発言と市場の反応

米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は16日、インフレの動向次第で年内利下げの可能性について言及した。しかし、利下げのペースについては慎重に調整する必要があると述べた。

市場が織り込む年6回の利下げ観測をけん制するとも取れる発言を受け、この日の米債市場では利回りが上昇した。一方、短期金融市場では、3月の利下げ確率が60%台へ低下している。

米金利のチャート:5分足 昨日のNY時間以降

米金利のチャート:5分足 昨日のNY時間以降 TradingViewが提供するチャートで作成


米金利の上昇は、外為市場で米ドル買いの圧力を高めた。対主要国通貨の動向を確認すると、この日は総じて米ドル高優勢の展開となったことが分かる。

米ドル相場の動向:1月16日

米ドル相場の動向:1月16日 ブルームバーグの為替データで作成

今日の注目材料は米小売売上高

今日は23年12月の米小売売上高が発表される。この経済指標は、米国経済のけん引役である個人消費の動向を考えるうえで重要である。

総合では、昨年11月の0.3%増から0.4%増へ小幅な伸びが予想されている。一方、自動車を除く指数は0.2%増と、昨年11月から横ばいの予想である。

そしてコア指数(自動車、ガソリン、建材、食品サービスを除く)は0.2%増と、昨年11月の0.4%増から伸びが鈍化する予想となっている。

米金利に再び上昇の圧力が高まっているタイミングで、米小売売上高が個人消費の底堅さを示す場合は、景気の底堅さと早期の利下げ期待が後退することで、米金利をさらに押し上げる要因となり得る。このケースでは、外為市場で米ドル高がさらに進行することが予想される。

一方、個人消費の伸びが抑制されている場合は、米金利の低下と米ドル安の展開を想定しておきたい。

米国 小売売上高の動向:月次 23年以降

米国 小売売上高の動向:月次 23年以降 ブルームバーグのデータで作成 / 赤と紫のグラフ:市場予想

ドル円の見通しとチャートポイント

上昇局面での焦点は147.44レベルの攻防
ドル円(USD/JPY)は16日、IG為替レポートで取り上げた146.60レベルの水準を難なく突破し、147円台へ上昇している。

上で述べた米小売売上高が米金利の上昇要因となれば、日米の利回り格差がさらに拡大することが予想される。この状況が続けば、ドル円は上値をトライする状況が続こう(下のチャート、赤矢印を参照)。

日米の利回り格差とドル円の動向:日足 23年9月以降

日米の利回り格差とドル円の動向:日足 23年9月以降 ブルームバーグのデータで作成


今日もドル円が上昇トレンドを維持する場合、最初の焦点は、昨日のIG為替レポートで取り上げたフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準147.44レベルの攻防となろう。

昨日の高値は147.31レベル。この水準の突破は、147.44レベルをトライするシグナルと想定しておきたい。

ドル円が147.44レベルをも難なく上方ブレイクする場合は、148.00レベルを視野に上昇幅の拡大を想定しておきたい。

148円台での攻防では、10日線で相場の反発が止められた昨年12月1日の高値水準148.34レベル、そして同年11月30日の高値水準148.52レベルの攻防となるかどうか?、これらの水準をトライする場合は、完全に突破できるかどうか?これらの点が焦点となろう。

ドル円が後者水準の148.52レベルをも突破する場合は、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準149.15レベルを視野に上昇幅が拡大する可能性が出てくる。

ドル円のチャート:日足 23年11月以降

ドル円のチャート:日足 23年11月以降 TradingViewが提供するチャートで作成


反落局面での焦点は?
日足のストキャスティクスは短期的な相場の過熱感(買われ過ぎ)を示唆する状況が続いている(上の日足チャート、緑矢印を参照)。

一方、1時間足チャートで直近の動向を確認すると、トレンドチャネルの上限を突破し、やはり相場の過熱感を示唆している(下のチャートを参照)。

そしてオシレーター指標(ストキャスティクス、RSI)も日足のストキャスティクスと同じく買われ過ぎの水準にある(下のチャート、緑矢印を参照)。

この状況で米小売売上高などが米ドル安の要因となる場合は、ドル円(USD/JPY)の反落相場を想定しておきたい。

このケースでは、過去に相場の上昇を止めた経緯のある146.60レベル、そして146.00レベルがサポートの水準へ転換するかどうか?この点に注目したい。これらの水準でサポート転換が確認される場合は、ドル円の地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。

なお、本日の東京時間序盤に、ドル円は上で述べた147.44レベルを突破する局面が見られた。本レポートを掲載時点での高値は147.48レベルである。

146.74レベルは直近高安のフィボナッチ・リトレースメント23.6%水準にあたる。ドル円が146円台へ反落しこのテクニカルポイントを下方ブレイクする場合は、146.60レベルをトライするシグナルと想定しておきたい。

また、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準146.28レベルの下方ブレイクは、146.00レベルをトライするシグナルと想定しておきたい。

今後も高値の水準が更新される場合は、その都度、上で述べたフィボナッチ・リトレースメントの水準を確認したい。

ドル円のチャート:1時間足 1月11日以降

ドル円のチャート:1時間足 1月11日以降 TradingViewが提供するチャートで作成

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